巨人の中田翔内野手(33)が「連敗ストップ打」と「メモリアル打」を成し遂げた。

1回に先制の適時二塁打で勢いづけると、5回には左前適時打を放ち、平成生まれ初の通算1000打点に到達した。負ければ今季ワーストとなる7連敗&借金8、最下位中日に0・5ゲーム差に肉薄される危機を、第91代4番のバットが救った。広島が敗れて、4位に順位を上げた。

ド派手な打撃とは裏腹な、静かな言葉だった。「長かったですね。15年目ですから」。汗まみれのユニホームのまま中田は1000打点を振り返った。

「全球打ちに行く中『振るか』『止まるか』という自分のスタイルを貫けている」。記録達成を決めた安打も先制決勝打も、言葉どおりファーストストライクから振った。

3点リードで迎えた5回2死一、二塁、1ボールから中日勝野の143キロ直球を左前適時打。記念ボードが一塁上に届き「そうだ、1000打点なんだ」と記録達成に気がついた。ベンチに戻ると同学年の菅野からグータッチで祝福を受けた。1回2死一塁の先制の場面は初球から強振。146キロ直球を鋭く捉え、左中間を切り裂く先制適時二塁打を放った。

4番として11試合目にして9打点、打率3割4分1厘と好調を維持。本塁打より打点にこだわり続けたプロ人生がにじみ出ている。「打点には必ず犠牲になってくれるバッターがいる。ホームランを40本、50本と打てても打点が少なかったら正直、意味がないですから」と強く仲間を思った。

チームは厳しい状況だが主軸の岡本和、丸とも毎日のように打撃論を交わし、打撃向上に努める。3、4、5番の連打で先制した1回の攻撃。仲間とともにもぎとった、理想の打点だった。【三須一紀】

▼通算1000打点=中田(巨人) 23日の中日18回戦(東京ドーム)の5回、勝野から適時安打を放って達成。プロ野球47人目。初打点は日本ハム時代の09年9月27日のソフトバンク23回戦(ヤフードーム)。中田は89年4月22日生まれで、平成生まれでは初の達成。33歳4カ月は史上10位の年少記録。

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