<阪神0-4DeNA>◇24日◇京セラドーム大阪

DeNA山崎康晃投手(29)が、プロ野球史上最年少で、史上8人目の通算200セーブを達成した。4点リードの9回2死一、二塁から登板。糸原を2球で中飛にねじ伏せ、今季30セーブ目で節目に到達。チームを8連勝に導いた。

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帝京高時代の恩師・前田三夫監督(73=現名誉監督)は「本人の努力。偉大な数字に達しました。褒めてあげたい」と心からねぎらった。思い出されるのは、山崎が高1の5月のこと。授業が終わり、練習時間になってもグラウンドに姿を現さなかった。すると、電話がかかってきた。「野球と学校をやめると言ってます。そうなったら、私は生きていけません。見捨てないで下さい」。家に帰ってきた息子を見た母ベリアさんからのSOSだった。

ベリアさんに連れられ、山崎はタクシーで学校まで戻ってきた。校門で待っていた前田監督は「お母さんを心配させるな」と諭した。「それから立ち直りました。学校の宿題がたまっていて、野球に手が付かない状況だったんですよ。今のプロでの活躍は、お母さんも喜んでるでしょうね」としみじみ話した。ベリアさんが亡くなる前、山崎から連絡を受けた。「『できる限りのことはしてやれよ』と言いました。お母さん思いの子です」。もし、あの時、ベリアさんが電話しなければ…。恩師との縁をつなぎ留めてくれた母にもささげる200セーブだ。【古川真弥】