もう安心だ。阪神近本光司外野手(27)は試合後、ホッと息をついた。「(離脱は)申し訳ないな、というのは感じていたので。これから連勝できるようにやっていきたいですね」。新型コロナ感染から復帰3戦目でようやくの勝利。猛打賞も決め、言葉には安堵(あんど)感がにじみ出た。

初回1死二塁、DeNAロメロから二塁内野安打。好機を拡大させ、すかさずリーグトップタイ23個目となる二盗を成功。その後、ロハスの押し出し四球で先制。チーム20イニングぶりの得点を呼ぶ貴重なつなぎだった。3回には左翼へクリーンヒットで出塁。この回一挙3得点の火をつけた。4回は再び快足で遊撃内野安打をもぎ取り、今季12度目の猛打賞を決めた。

兵庫・淡路島で生まれ育った男は、島での時間がシーズンの原点となっている。オフに2年連続で鹿児島・沖永良部島で自主トレを敢行。14日間のトレーニングで心身を仕上げる一方、野球教室を行い恩返しも忘れない。前夜はそんな同地の子どもたちを球場に招待。「いい経験になってもらえたら」と願い、続けた。

「島特有の閉ざされた所で生活してる。僕もそうでしたけど、外に出て感じることは多いと思う。関西ってこういうところだったんだよっていうのを、子供たち同士で話してもらえたらすごくいいなと思います」。この日は甲子園歴史館を訪問した子どもたちも、1日遅れの白星を喜んでくれているに違いない。

2試合連続完封負けからトンネルを抜け、11安打5得点で快勝。矢野監督は「毎日これぐらい打ちたい」としながらも、完全復活した3番について「1本より2本、2本より3本と出ることで乗っていける。近本が帰ってきたのが大きな、チームの形というのができることになる」とうなずいた。虎の柱は戻った。あとは、とことん連勝を伸ばすだけだ。【中野椋】

○…糸原が貴重な追加点となるタイムリーを放った。大山のタイムリーの後、なおも続く3回2死三塁のチャンス。カウント1-1からDeNAロメロの153キロの直球を捉え、右前に運んだ。「タイムリーも出て、いい流れで自分も続くことができました。複数点取ることができて良かったです」とほっとした様子だった。

○…3試合ぶりスタメン出場の6番ロハスが先制点をもぎ取った。初回、2死満塁で打席に立ち、フルカウントからDeNAロメロの8球目を見切って押し出し四球。「結果的にどんな形であれ、1点というのは考えていたので、それができて良かった」と振り返った。7回には右翼フェンス上部直撃のヒットに「No Power!!」と苦笑い。8月は打率3割4分8厘と好調をキープしている。

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