亜大が、中盤に逆転に成功した。5回に打者一巡の猛攻で一挙6点を挙げて突き放し、1勝1敗とした。

流れを変えたのはリーグ戦初登板の鬼塚柊投手(4年=北筑)だ。3回までに2点をリードされ、4回表にマウンドに上がった。テンポよく3者凡退に抑え、打線に流れを呼びこんだ。「必死に抑えようと思いました。とくにスライダーがキレていて、それでカウントも取れた。自分の有意な感じに投げられました」。大きな落差のあるカーブでタイミングを外し、緩急をつけた。2回を投げ、無安打無失点の快投だった。

高校の先輩、DeNA今永昇太投手からプレゼントされたグラブでマウンドに上がった。大学2年秋、生田勉監督(56)が知人を通じ連絡を取り、交流が始まった。使わなくなった野球用具やジャージーなどをプレゼントされ、丁寧に手紙を書いてお礼を伝えた。

期待されながらも、なかなかチャンスがつかめない。そんな時にも憧れの先輩の用具を手に「頑張ろう」と言い聞かせた。「高校の時も、目指していた存在。マウンドでの振る舞い、目指すべき存在だと思っています」。先輩に、少しだけ近づいた。生田勉監督(56)も「鬼塚が流れを変えてくれた。思いがこもった球を堂々と投げてくれた。持ち味を出してくれましたね」とたたえた。

憧れの先輩とともに、堂々と投げきった初マウンド。「春のリーグ戦では青山(美夏人)に頼り放しだったので」とニッコリ。連覇を目指す亜大に、また1人頼もしい投手が登場した。