広島ライアン・マクブルーム内野手(30)が16号2ランを含む3安打3打点で大勝に貢献した。3回にDeNA先発阪口を打ち砕く逆転弾を放つと、その後は2本の単打でつなぎの攻撃を実践。16安打10得点の打線を活性化させた。2位DeNAに連勝して、敗れた3位阪神とのゲーム差を0.5とした。

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4番が攻撃のリズムをつくった。機動力で1点差とした3回。DeNA先発阪口から左翼席への弾丸ライナーの16号逆転2ランで打ち崩した。打線を勢いづけると、追いつかれた6回は、無死二塁からコンパクトにセンター返し。投手強襲安打でチャンスを広げ、勝ち越し点の呼び水とした。3連打で巡ってきた8回も、三遊間を破る安打で続いた。大技小技で16安打10得点の大勝に導いた。

「自分が信じている反応、本能のようなものを信頼して、打てる球を待っていた。“アグレッシブ”という言葉が一番合っている」

“つなぎの野球”をけん引しながらも、8日から5試合続けて先発から外れた。「技術面を整えながら、代打で出る機会を通して、体もメンタル面も準備させて帰ってくることができた」。先発復帰した14日阪神戦から3試合連続複数安打。計13打数8安打6打点と、沈黙の鬱憤(うっぷん)を晴らすように快音を響かせている。この日の3安打で9月の月間打率は3割6厘。3月から奇数月の月間打率はいずれも3割超と、最終局面に合わせるように調子を上げてきた。

「4番マクブルーム」が安打を打てば、チームは38勝37敗2分けと勝率が上がる。“ハマキラー”ぶりも光る。球団別打率はトップの3割6分7厘を残し、球場別打率でも4割3分8厘と際立つ。レギュラーシーズンでの戦いはこの日で終えたものの、DeNAが2位となり、広島が3位に浮上すれば、CSで再戦できる。

連勝で3位阪神に0.5ゲーム差。逆転CSへの望みをつないだ。「盗塁のサインが出ればしたいし、バントしてでも走者を進めたい。できる限りのことをやって、みんなでクライマックスシリーズに食い込んでいきたいと強く思っています」。“フォア・ザ・チーム”の姿勢とともに、アグレッシブな姿勢は崩さない。【前原淳】

○…代打で堂林翔太内野手が貴重な2点打を放った。1点を勝ち越した6回2死満塁で出場。入江の初球真っすぐをたたいて三遊間を破った。「ヒットしかない場面。とにかく積極的にいきました。もう甘いところは全部振っていこうと」。試合前まで8打席連続三振と、日本記録にあと1と迫っていたが、試合の流れを大きく引き寄せる一打で不名誉な記録も阻止した。

○…1軍復帰後初登板の中崎翔太投手が2勝目を手にした。同点に追いつかれた5回。なおも2死三塁で2番手として登板。4番牧を2球で追い込むと、最後は内角をえぐるツーシームで三ゴロに打ち取った。「しっかりと集中して入れたかなと思います。これだけ迷惑をかけている中で、いいところで使ってもらえるというのはありがたい」。起用に応えた。3月27日DeNA戦以来の勝ち星に「玉村に(勝ち星が)つくのが一番良かったかなと思いましたけど、3球で盗人みたい」と笑った。

○…先発玉村昇悟投手は5回途中3失点で降板となった。1回は初球から7球連続ボールと不安定な立ち上がりで2点を失った。5回は無死一塁から中堅へのライナー性の打球を西川がスライディングキャッチし、1度はアウト判定で2死となった直後。DeNAのリクエストの末に無死一、二塁から再開となり、その後1失点して降板となった。「初回連続四球がもったいなかった。技術不足なので、しっかり入りから投げられるようにやっていきたい」。責任投球回を投げきれず反省の弁を並べた。

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