日本ハム上沢直之投手(28)がケガを乗り越え、2年連続でシーズン規定投球回数をクリアした。ソフトバンクとの今季最終戦(札幌ドーム)に先発し、7安打3失点(自責2)完投。援護にも恵まれず8敗目を喫したが、エースの意地を見せた。

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2点を追いかける最終回のマウンドにも、上沢は立ち続けた。「8回、ちょっとしんどかったですけど、ここでしんどいのから逃げていいのかな…と。9回行ったほうが、何か見つかるんじゃないか。そんな気持ちでした」。気持ちを切らすことなく、エースとして投げ抜いた。遊撃・上川畑の好守で3者凡退に打ち取ると、渾身(こんしん)のガッツポーズをつくった。

9回7安打3失点(自責2)。8敗目を喫したが、4回終了時点で2年連続で規定投球回をクリアした。「目指していたので、最低限クリアできて良かったと思います」と、先発ローテ投手の役割を果たした。首位争いする相手打線に序盤に3失点。味方の守備から失点する不運も絡み、今季ワーストタイ4四球と乱れながらも踏ん張った。「調子が良くないと思っていたから、逆に丁寧にいけた」と振り返った。

アクシデントを乗り越え、目標に手を届かせた。7月に打球が当たり右足中指を骨折。早期復帰へ、故障から3日後には骨接合術に踏み切った。実戦復帰まで当初8週間の見込みも、約1カ月後には1軍復帰。「ケガがなかったら、もしかしたら目標の180イニングもいけたかもしれないですけど…」。2年連続の2ケタ勝利も絶望的となった。悔しさは来季のマウンドで晴らす。【田中彩友美】

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