ソフトバンク柳田悠岐外野手(33)が「札幌ドーム」で、惜別の豪快アーチを放った。1点リードの4回に、日本ハム上沢から大きな追加点となる21号ソロ。数々の思い出がある敵地での最終戦を飾った。チームは連敗を3で止めて、4日ぶりにマジックを減らし「8」とした。

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柳田は穏やかな笑みを浮かべながら、少しさみしそうにスタンドに手を振った。日本ハムは来年から、本拠地の移転が決まっている。ソフトバンクとして札幌ドームで戦う最後の試合を終え、かみしめるように右翼席のソフトバンクファン、左翼席の日本ハムファンに感謝した。

豪快な「惜別アーチ」だった。1点リードの4回無死。日本ハム上沢のカットボールをとらえて、右翼スタンドまで運んだ。ロースコアだった試合の流れをたぐり寄せる1発。「少し詰まりましたが、いいスイングをすることができた結果だと思います」と、納得の様子で振り返った。

柳田は「初出場が札幌ドームで、今でも鮮明に覚えています」。1年目だった11年、札幌ドームで、5月8日に代走で初出場。プロとしての第1歩を踏み出した。18年4月21日には自身初のサイクル安打を、この地で成し遂げた。「ここでプレーできなくなる寂しさはありますが、最後にホームランを打つことができて良かったです。札幌ドーム3150(最高)でした」。野球人生の節目で何かと縁があった敵地に、柳田らしい1発で別れを告げた。

オリックスに3連敗した悪い流れを断ち切り、勝負の11連戦ラストを勝利で飾った。藤本監督は「11連戦をなんとか7勝4敗で乗り切れたというのはね。プラスとして考えてね」と、前向きに振り返った。

2位のオリックスも勝ちゲーム差0は変わらなかったが、連敗ストップで、4日ぶりに優勝へのマジックを「8」に減らした。指揮官は「楽な試合なんかないわ。ほんましんどいわ。1試合取るの。こんなにしんどいと思わんかった」。いよいよ残り10試合を切った。ここから、最後の根性比べだ。【山本大地】

○…守護神不在のリリーフ陣が、無失点リレーで勝利を呼び込んだ。3番手津森は3-1の6回1死満塁で登板。パ・リーグ首位打者の松本剛を1球で遊併に打ち取り、窮地を救った。「ピンチの場面でしたが、強い気持ちで投げました。思い切って腕を振れたのが良かったと思います」。9回は左肩違和感でベンチを外れたモイネロに代わり、藤井が3者凡退。今季3セーブ目を挙げ「僕は任されたところで投げるだけなので、今日もしっかりと仕事ができて良かったです」と頼もしかった。

▽ソフトバンク中村晃(約1カ月ぶりの1試合3安打)「自分のスイングをしっかりできた結果がヒットにつながりました。とにかくチームが勝てたことがなによりです。終盤戦、チームの力になれるように頑張るだけです」

▽ソフトバンク牧原大(5回に適時打)「2アウトからのチャンスを絶対にいかそうと打席に入りました。最後の札幌ドームにささげる、気合一本のタイムリーです」

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