ロッテ井口資仁監督(47)が2日、全日程を終了し、今季限りの退任を発表した。ソフトバンク戦に勝利後、セレモニー内で突如、7秒間沈黙した。顔を少しゆがめ、言った。

「残念ではありますが、ここをもってシーズンを終了してしまったこと、3年ぶりにBクラスになってしまったこと、これは本当に私の責任だと思っています。2025マリーンズプロジェクトに向けて、突き進んで参りましたが、道半ばではありますが、私は今シーズンで退任させていただき、次の指揮官にバトンを移していきたいと思います」

2年連続2位からの、就任5年目での5位。チーム打率2割3分1厘は、球団史上ワーストだった。「結果が出なかったことというのは本当に申し訳ない気持ちでいますし、ファンの人も歯がゆい気持ちではいたと思います」。あいさつの冒頭、右翼席の一部からブーイングもあった。退任発表後、ごく一部から拍手も起きた。

退任が決まったのは、この日の試合前。「今日決まったことだったんでね、なかなか選手にも伝えられなくて、ああいう場でしかなかったですけど」。同じように退任を表明した、河合克美代表取締役社長兼オーナー代行(70)らとの話し合いで決まったばかりだったという。

その言葉の真実を証明するかのように、井口監督の後ろに並んでいた選手たちも動揺を隠せなかった。左端にいた佐々木朗は、監督が退任を発表した瞬間、ぴくっと体を動かし、隣の選手のほうを見るほどだった。

「育成」と「勝利」の両輪でチーム作りを進めてきた。ただ就任時、オーナーからは「来年優勝しなくてもいい、5年後には優勝してくれ」と託されたという。その中で「頂点を、つかむ。」とスローガンに掲げての5位低迷。河合オーナー代行は「優勝ということに対する思いと、それができなかったことへの責任を重く捉えている、というのが今日の先ほどの監督の言葉であると思います」と説明した。球団は「井口監督より辞任の申し出があり、受理しました」と広報発表している。

井口監督は「道半ばではありますが、私は今シーズンで退任させていただき、次の指揮官にバトンを移していきたいと思います」とファンに話し、その後の報道対応では「ここまで本当に若い選手をしっかり育てながらやってきたのでね、彼らがもうひと花ふた花咲かせられるように」と期待を託した。監督も、現場の経営トップも、後任未定。優勝をめぐってわきにわいた、2022年のパ・リーグ最後の日。ロッテに衝撃が走った。【金子真仁】

◆井口資仁(いぐち・ただひと)1974年(昭49)12月4日、東京都生まれ。国学院久我山-青学大を経て96年ドラフト1位でダイエー入団。01、03年盗塁王。ベストナイン、ゴールデングラブ賞各3度。04年オフにダイエーを退団し、ホワイトソックス入団。加入1年目に88年ぶり世界一に貢献。フィリーズ、パドレスを経て09年ロッテ移籍。13年に日米通算2000安打。17年現役引退し、翌年からロッテ監督。178センチ、91キロ。右投げ右打ち。

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