オリックスがラオウこと杉本裕太郎外野手(31)の執念の一打で追加点を挙げた。

2点リードの5回2死一、三塁。ヤクルト2番手大西の外角低めのスライダーに食らいついた。三塁前へのボテボテのゴロ。三塁手の村上がダッシュしてキャッチ。しかし、全力疾走で一塁へ向かうラオウは速かった。村上は一塁送球を諦め、オリックスに3点目が入った。

杉本は「(山崎)福也が頑張ってくれていたので、どんな形でも追加点になってくれてよかったです」と笑顔で振り返った。

この打席、直前で4番吉田正が申告敬遠されていた。3回にも2死二、三塁から青学大の後輩でもある4番が敬遠され、満塁で三ゴロに倒れていた。杉本は、屈辱に苦笑いしつつ打席に向かった。2度も同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかなかった。

ヤクルトには村上、オリックスには吉田正と、球界を代表するスラッガーがいる。当然、勝負を避けられるケースも多く、後を打つ打者の出来が勝負のポイントにもなる。ヤクルトは5番オスナが初戦で3安打3打点と活躍。杉本は9回の好機に三振するなど4打数無安打と明暗が分かれた。中嶋監督からオリックスの5番を任された以上、結果を出すしかない。執念の内野安打が、ラオウ復調のきっかけになるかもしれない。

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