中日は15日、阿部寿樹内野手(32)と楽天涌井秀章投手(36)との交換トレードが成立したと発表した。通算154勝右腕の加入で充実した投手陣の層がさらに厚みを増すことになった。

今オフの補強第1弾は投手だった。大野雄、柳、小笠原の3本柱に急成長を見せた2年目の高橋宏と多彩な顔ぶれの先発陣に西武、ロッテ、楽天で活躍した涌井が加わる。今季は右手中指の骨折などで10試合に登板し、4勝に終わったが、実績のある投手が移籍を契機にV字回復するケースもある。今季タイトルを獲得したセットアッパーのロドリゲス、守護神マルティネスら救援陣も含め、充実した投手陣のさらなる強化を目指すことになった。

中日加藤宏幸球団代表は今回のトレードについて「補強ポイントの1つである先発投手として(涌井は)まだまだ十分やってくれるという判断です。(阿部放出は)戦力的には打線が弱いと言われている中で、悩んだところ。若い選手を使っていく方針で『苦渋の決断か』と言われれば『そうですね』ということです」と説明した。立浪体制1年目は連覇したヤクルトに15ゲーム差をつけられ最下位。17選手に戦力外を通告するなど、大胆なチーム改革に着手したが、まずは中心打者を放出して強みを補強する形となった。

今後の焦点は長期課題となっている攻撃面の補強だ。阿部は今季131試合に出場。打率2割7分、9本塁打、57打点で得点力不足にあえぐチームにあって、主軸として存在感を示した。立浪監督は現在、ドミニカに渡り、現地で新外国人選手を調査中。今ドラフトでは4人の内野手を指名するなど世代交代を進める中、シーズンを通して主軸を任せられる新外国人野手を獲得できるかどうかが、来季の命運を左右しそうだ。

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