ロッテ広畑敦也投手(24)が16日、ZOZOマリンで契約更改交渉を行った。ルーキーイヤーは30試合に登板。プラス査定に堂々と実印を押し、会見室に入ってきた。

入寮時に弾き語りを披露し、コーヒー愛を語るなど、自己発信に積極的だ。この日は「いや、さすがに」とギターは持ってこなかったものの、人知れずしっかりと発信していた。

紺色のスーツを身につけていた。よく見ると、生地がちょっと珍しい。デニムのスーツだ。

岡山・倉敷市生まれ。小学校は瀬戸内海を渡った高松で、中学から高校は岡山市で生活したものの、帝京大卒業後は社会人野球の三菱自動車倉敷オーシャンズでプレーした。

縁深い故郷への恩返しを-。倉敷の海沿い、児島地区は“国産ジーンズの聖地”とされ、約400メートルの児島ジーンズストリートにはジーンズ店がずらりと並んでいる。そこに名を連ねる「桃太郎ジーンズ」のデニムスーツを、広畑はこの日身につけていた。弾き語りが注目された1月の入寮時にも着ていた。

ジーンズの重厚感がありながら、柔らかみも備えているデニムスーツ。「生地の厚さは普通のスーツと変わらないので、1年中着られる感じです」と感想を聞いたことがある。

弾き語りやコーヒー愛やSNS発信で、投球以外でも積極的に目立とうとするファンサービス精神は、多くのファンの心を捉えた。20日に控えるファン感謝イベントでも「無茶ぶりにも応えられるよう」としっかり備えている。

とはいえ、単なる目立ちたがり屋ではない。入寮時も更改時も、自分からデニムスーツのことを口にはしなかった。おしゃれはさりげなく。大人だ。【金子真仁】

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