840%アップ!! 阪神湯浅京己投手(23)が30日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、4200万円アップの4700万円と大幅昇給を勝ち取った。昇給率は840%で、阪神では18年の桑原謙太朗の463%増(800万円→4500万円)を大きく上回り、球団史上最高の昇給率となった。

プロ初勝利のお祝いで岩貞からプレゼントされたというグレーのスーツを身にまとって会見場に登場した右腕は、今季について「タイトルも取れて、それは開幕前から目標にしてやっていましたけど、実際こうやってやれたというのは自分のなかでは想像以上の出来だなと思っています」と振り返った。大幅昇給で懐については「アツアツです」とおなじみのフレーズで満面の笑みを浮かべた。

プロ4年目の今季は「8回の男」として大ブレーク。最速150キロ超の直球と宝刀フォークを武器にチームトップの59試合に登板。プロ初勝利を含む2勝3敗、防御率1・09と圧倒し、45ホールドポイントで最優秀中継ぎ賞と新人特別賞を受賞した。

来季に向けては「2年連続タイトルというのも目指して、自分自身レベルアップした姿を開幕から見せられるようにこのオフやっていきたいたと思っていますし、チームとしては岡田監督の言う“アレ”を、ファンとみなさんと目指しながら頑張っていきたい」と力を込めた。

湯浅は聖光学院(福島)から独立リーグのBC富山を経て18年ドラフト6位で入団。腰のケガなどに苦しみ昨季まで通算3試合の登板にとどまっていたが、今季は潜在能力の高さを開花させ、一気にスター街道を駆け上がった。

岡田監督は来季守護神として起用する方針を示しており、セーブ量産が期待される。(金額は推定)

▼阪神湯浅が840%増の4700万円で契約更改した。昇給率は歴代3位。投手では10年福盛和男投手(楽天=1036%)に次ぐ2位となる。福盛は09年6月に大リーグのレンジャーズから楽天復帰。シーズン半ばだったこともあり野球協約が定める参稼報酬最低額の440万円で契約し、翌年の条件を重視する変則契約で大幅アップした。

◆昇給率 旧年俸に対する、アップ幅の比率のこと。昇給額÷旧年俸×100=昇給率。今回の湯浅は500万円から4700万円で契約を更改したため、昇給額は4200万円。これは旧年俸の8・4倍となるため、昇給率は840%となる。

 

◆阪神の近年の大幅アップ 今季の湯浅京己投手(23)のように昨年「新人特別賞」を受賞した佐藤輝明内野手(23)、中野拓夢内野手(26)、伊藤将司投手(26)の3人は、昨オフの契約更改でいずれも大幅アップを勝ち取った。

▼佐藤輝 2600万円増の4200万円

▼中野 2900万円増の3700万円※NPB新人野手最高昇給率363%アップ。球団では投手も含め2年目での史上最高アップ率

▼伊藤将3100万円増の4400万円※球団最高昇給額 14年藤浪、20年近本の3000万増を上回り2年目の球団史上最高昇給額。