ロッテ佐々木朗希投手(21)がクリスマスイブの24日、契約更改交渉を行い、5000万円増の来季年俸8000万円(金額はいずれも推定)でサインした。ロッテの高卒新人4年目としては06年の西岡剛を抜き、史上最高額となった。4月10日の完全試合、13者連続奪三振などで今年の顔になった最速164キロ右腕。代表選出濃厚なWBCも控える来季、新年早々の始動で頂点をつかみ取る。

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青、青と来たネクタイは今年はワインレッドだ。華やぐ色が、12・24の佐々木朗の笑顔を引き立てる。プロ3度目の契約更改は「年俸はご想像にお任せしますけど、いい評価をしていただいて」と推定8000万円でサイン。将来目指す年俸額を「何となくはあります」とにおわせる完全試合男は「まだまだできるなと思うので、現状に満足せずもっと高みを目指していければ」と冬を過ごす。

4月10日以後、時の人になった。必然的に集まる注目、好奇の目。それでも「特に。僕は変わらなかったので」と若者は平静に投げ続けた。開幕前の実戦を含めれば、1年間で投じた160キロ台は409球。驚異的な直球とフォークボールを軸に、完全試合や連続奪三振記録を樹立しても、印象に残る試合には「苦しい時期に完投できたのはうれしかった」と9月2日のオリックス戦(ZOZOマリン)を挙げる。9回完投し、黒星がついた試合だ。

投げきりたい-。1年間の評価を受け、さらに自覚が深まる。球速より記録より大事なこと。「25試合近く投げて、規定投球回に行って、その中で投球内容も比例して良くなってくれればって思います」。球団からも「来年は貯金を」と依頼された。3月にはWBC出場が濃厚だ。「味わう余裕はあるのかな」とこぼしつつ、2つのユニホームで頂点に立てるよう、新年は寒い中での元日投球も辞さない構えだ。

目標の存在になり、背負うものはますます増える。野球少年には「いっぱい勉強して、いっぱい食べて、いっぱい寝てほしい」と言葉を贈る。そんな大忙しのサンタク朗スがいま、一番ほしいものは?

「うーん、何すかね…オフシーズン」

今、オフですが。

「もう少し、はい。あと2カ月くらい」

蓄えて蓄えて、一気に解き放つ。【金子真仁】

◆高卒4年目投手の年俸 ダルビッシュ(日本ハム)と大谷(日本ハム)の2億円が野手を含む最高額で、8000万円は宮城(オリックス)と並び9位タイ。過去の9人を見ると、全員が1年目にデビューしてプロ初勝利を記録しているのに対し、佐々木朗は1年目の登板がない。野手を含め、1年目に不出場の高卒選手では、佐々木朗の8000万円が最高になる。

○…佐々木朗は今季、ルーキー松川とは完全試合を含む17試合でバッテリーを組み、シーズン終盤は佐藤都とも3試合組んだ。来季については「来年誰と組むかは分からないので。まずは自分がしっかりしなきゃいけないと思うので自分でしっかり考えて、その上でバッテリーを組む捕手と話せたら」と話すにとどめた。

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