WBC日本代表に選出されたDeNA牧秀悟内野手(24)が、WBC仕様の「世界一奪取トレ」で体を仕上げる。19日、大和、益子とともに鹿児島・鹿屋市内で自主トレを公開。木刀を使ったトレーニングで体幹などを強化し、シュアプレイのティー打撃マシン「AIR-HIT」でロングティー打撃し、動くボール対策にも取り組んだ。キックボクシングなど数々のユニークトレも実施。人体骨格模型で鍛える部位をイメージしながら汗を流した。

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グラウンドでトレーニングする牧の視線の先に、1体の人体骨格模型が存在感たっぷりに置かれた。大和に2年連続で弟子入りし、初参加の益子とともにトレーニングしながら、自身の目で強化する部位を確認。「毎日、充実した練習ができています」と頭でイメージしながら、練習メニューの効果をより高めている。

「大和組」のトレーナーを務める浜川彰吾氏が用意したメニューは、ユニークかつバラエティーに富んだ。ウオーミングアップ後、手にしたのは約500グラムの木刀だった。“侍”が刀を振り下ろすように、上下させながら体幹を強化。バットも刀も振るのに重要なのは体の軸で、牧は「打撃にもつながってくるのかなと思います」と効果を実感した。

3月に行われるWBCで世界と渡り合うため「ファイティングスピリット」も植え付けた。昨年に続き、キックボクシングでのミット打ちを導入。キックする動作は体幹と体の力が必要で、体のバランスも重要となる。声を張り上げながら、締めは空手の決めポーズで「ヤァー!」と小ネタを入れ、周囲を笑わせた。

「サムライ仕様」は、打撃練習にも組み込まれた。ロングティー打撃では、牧が契約するシュアプレイが秘密兵器を用意。空気でボールが浮き、打つ前に微妙に変化する「AIR-HIT」で動くボール対策にも着手した。「思ったのと違う感覚だったり、打ち損じが多いかなと。やればやる分だけ慣れてくるんじゃないかなと」と、動くボール攻略へのヒントをつかむ。

昨年以上に打ち込みの量を増やしながら、守備では複数ポジションへの準備を進める。本職の二塁とともに一塁、三塁も頭に入れ「どこでもどんな場面でも出られるように準備していきます」と決意。「選ばれた以上は、世界一を目指して戦っていきます」と覚悟を示した。【久保賢吾】

▽侍ジャパン選手の主な自主トレ

★陸奥国トレ ロッテ佐々木朗は年末年始、地元の岩手・大船渡市で自主トレ。元日からWBC球でブルペン入り。

★夜明けぜよトレ 巨人大勢は大阪・羽曳野市で午前5時から自主トレ。太陽が昇り始めた午前7時ごろ、キャッチボール開始。

★天下統一トレ 日本ハム伊藤は米国で約1週間パドレス・ダルビッシュと自主トレ。09年WBC世界一の帝王学を学ぶ。

★遊撃の書トレ 西武源田は06年WBC優勝の元ヤクルト宮本慎也氏、元阪神、ロッテの鳥谷敬氏ら歴代名遊撃手4人と技術談議。世界一への金言授かる。

★君が代トレ 日系選手初選出となるカージナルス・ヌートバーは君が代を練習。「1カ月で言葉を学べるわけじゃないが、家で母(久美子さん)が歌っているので、自分も繰り返している」。

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