阪神からポスティング申請を利用してアスレチックスに移籍した藤浪晋太郎投手(28)が21日、甲子園で会見した。日本時間18日にオークランド市内の球団事務所で入団会見を行ってから中2日。帰国直後で疲労が残っているにも関わらず、10年間苦楽を共にした聖地を訪れ、古巣への感謝を言葉に変えた。

高卒1年目の13年から3年連続で2桁勝利をマーク。一方で近年は制球難に端を発した絶不振にも苦しんだ。「いろいろいい思い出も悪い思い出もたくさんありますけど、いいも悪いも含めて、ものすごくいい経験をさせてもらった。阪神タイガースの藤浪晋太郎でしか経験できなかったこともたくさんあった。阪神タイガースの藤浪晋太郎で良かったなと思います」。時折苦笑いしながらも、澄み切った笑顔でしみじみと語った。

会見の途中には親交の深い岩崎、梅野、同学年の北條らからのメッセージも大型ビジョンに映し出され、感極まった表情。「タイガース後半は特にいい数字が残せたわけではないですし、チームにすごい貢献できたわけではない。いろんな方がすごく応援してくださっているなと実感していますし、チームメートも送り出してくれることを今、すごく感動しています。泣きそうです。みんなに出会えて良かったなと思います。いい出会い、最高のチームメートだったなと思っています」と力を込めた。

アスレチックスとは1年契約を結び、年俸325万ドル(約4億2000万円)に100万ドル(約1億3000万円)の出来高払いがつく。現地時間の2月15日からバッテリー組のアリゾナキャンプに参加する。

現地時間の3月30日からはエンゼルスと開幕カード3試合が組まれており、同学年の大谷翔平との対決にも注目が集まる。打ち取り方を問われると「なかなか難しい」と苦笑いしつつも「世界最高の選手ですし、楽しみなのが一番。ファンの方で楽しみにしてくださっている方もいると思いますし、いい勝負を見せられればなと思います」と目を輝かせた。

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