駒大がサヨナラ押し出しで先勝した。1-1で迎えた9回裏、2死満塁から小林怜斗外野手(2年=豊川)がサヨナラ四球を選んだ。

前向きな男が、勝利を呼び込んだ。6回まで青学大の好投手、常広羽也斗投手(4年=大分舞鶴)の前に3安打と封じ込まれ、迎えた7回裏。1死二塁から7番出村夢太外野手(2年=星稜)が甘く入った真っすぐを捉え、先制となる左越え適時二塁打。均衡を破る一打が、チームに流れを呼び込んだ。

出村のモットーは「前向き」だ。2月中旬、右の肋骨(ろっこつ)を痛め、1カ月リハビリが続いた。開幕前のケガにも、下を向かない。はじめの約2週間は安静にし、バットが振れるようになると、「この期間でも何かできることがある」と、Aチームの補助や声出しをしながら、自主練習で振り込んだ。

運も引き寄せた。毎朝、大倉孝一監督(62)に「俺の運をもらえ」とストレッチのパートナーも務めていた。「あのころはよくわからなかったんですが、今振り返ると、こういうこと(監督から運をもらっての一打)だったんだなぁと思います」と笑顔を見せた。

出村の強運が、チームに勝利を呼び込んだ。「うれしいです。でもリーグ戦中の、1試合にすぎない。まだ1カ月以上あるので、ここからが勝負だと思います」と表情を引き締めた。