広島先発の九里亜蓮投手が立ち上がりからストライク先行の投球で中日打線を4安打無失点に抑え、今季初勝利を手にした。8回まで97球の省エネ投球。今季チーム初勝利の遠藤からすべて先発投手に勝ち星が付く5連勝で、単独3位に浮上した。

今季初登板となった前回4日阪神戦は、かわす投球に終始。5回途中まで6四死球と自滅した。昨季まで阪神にいた藤井ヘッドコーチからの助言で吹っ切れた。「“いろんなことができるんだから”と言ってもらって。いろいろ考えながらバッターの反応を見ながら、自分の持っているものをしっかりマウンドで表現できたと思う」。打者を手玉に取る投球で、1つの四球しか与えなかった。

この日は前回以上に球速、球威があった。1回2死から細川に投じた6球目は148キロを計測。2回無死一塁からは高橋周のバットを折り、二併殺に打ち取った。8回も球威は衰えず、3者連続三振を奪った。8回97球は「僕の中では力が入っている感覚はなくて。逆にそういう方がいいのかもしれない」と新たな感覚を得る副産物があった。

広島は昨季4勝8敗と大きく負け越した鬼門のバンテリンドームで、連勝を5に伸ばした。昨年7月23日以来、新井体制では初の貯金1。新井監督は「先発投手に勝ちがついているというのは、すごくいい戦い方をしているということ」とチームに好循環をもたらしている先発陣をたたえた。【前原淳】