ソフトバンク中村晃外野手(33)が、珍プレーの直後に逆転2ランを放った。

2-3の8回。先頭の牧原大が振り逃げを狙い、捕手炭谷は悠々と一塁手フランコの正面に送球したが、フランコがまさかの落球。余裕を持ってのアウトタイミングだったが、思わぬ形でチャンスメークし、中村晃に今季1号が飛び出した。これでダイエーからソフトバンクとなった05年から節目の1400勝。首位をキープし、パ5球団とのカード一巡目を終えた。

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中村晃の逆転アーチは珍プレーから生まれた。1点を追う8回。先頭の5番牧原大が空振り三振に倒れるも、振り逃げを狙って一塁へ。捕手炭谷は悠々と一塁手フランコの正面に送球したが、フランコがまさかの落球。タイミングも余裕を持ってのアウトだったが、思わぬ形で無死一塁のチャンスが巡ってきた。ここで打撃職人が今季1号だ。

中村晃 バントもあるかなと思いましたが、監督が「打て」のサインを出してくれたので思い切って。

右翼から左翼方向に吹いていた逆風を切り裂いた。カウント3-1から5球目直球を強振。ヒッティングのサインに値千金の右越え2ランで1発回答し「打たせてくれたので、これからもずっと打たせてもらえるように頑張ります」とクールに笑った。

周東、近藤、柳田、栗原、牧原大といった強力打線の後ろ、6番に座る。プロ16年目の男は「4番で(攻撃が)終われば、5、6番が1、2番という雰囲気かなとも思う。1、2番が2つあるような感じで面白い」と楽しんでいる。打率は2割9分7厘、出塁率4割2分9厘はリーグ2位。普段は「つなぎの6番」が、この日は「恐怖の6番」に進化した。

今季はダイエーからソフトバンクに名前が変わった05年から19年目のシーズン。開幕から初の逆転勝ちで、ソフトバンクとしての通算勝利数は節目の1400勝目に到達した。05年以降では12球団トップの白星。3年ぶりのリーグ優勝奪回に向けて、がっちり首位をキープした。【只松憲】

▽ソフトバンク上林(5回の右前適時打に)「打ったのはスライダー。内野のポジショニングが定位置だったので、転がせば1点と楽な気持ちで打席に入れました。チャンスを生かすことができて良かった」

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