侍でも連敗止められず。日本ハム伊藤大海投手(25)が新球場エスコンフィールド初登板も、今季初白星を手にすることはできなかった。

2回2死一塁で井上に右越え2ランを浴びると、3回には藤原の左翼線への適時二塁打などで、さらに2点を献上。6回5安打4失点(自責3)で降板した。チームも16試合で早くも2度目の4連敗を喫し、借金は8にふくらんだ。

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“三度目の正直”とはいかなかった。9回にチームが同点のチャンスを迎えると、伊藤は祈るような思いでベンチから見守った。結果は1点追いつかず、4連敗。負の流れ食い止められず「ふがいない。投球も気持ちの面でも。自分が弱い」と反省した。

立て直すことができなかった。初回3者凡退と好スタートも、2回2死一塁で高めに浮いたストレートを井上に右中間スタンドに運ばれ「ちょっと安易だった」。打線が1点返した直後の3回は、先頭打者に内野安打を許し、藤原の左翼線への適時二塁打などで、さらに2点を献上。仲間が持ってきてくれた流れを生かせず「ゼロで抑えるんだという強い気持ちが、今は最低限の投球ができればという方向に行っている。良さを出し切れていない。魂を燃やし切れていない」と複雑な心境を口にした。

WBCから戻り初登板した5日ロッテ戦は、5回無失点と好投も白星はつかず。前回登板した12日ソフトバンク戦は6回2/3、8安打5失点と崩れ、黒星を喫していた。出直しを期した新球場のマウンドでも結果を出せなかった。今季2度目のコンビを組んだ宇佐見は「ストレートに少しばらつきがあって、本人も少し意識しすぎている。そこを意識しすぎずに簡単にいけたら、本来の大海の投球になるのでは」と話した。

伊藤はルーキーイヤーの21年は初登板から5戦白星なし、昨季も登板3戦目まで勝利をつかめなかったが、2シーズン連続で2ケタ勝利につなげた。6回はダッシュでマウンドに上がり「初心に戻りピッチャーを始めた楽しかった頃を思い出せるように。自分を奮い立たせる何かが必要なのかなと」。手痛い連敗を糧に、もう1度、炎のように熱い大海を取り戻す。【永野高輔】

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