ソフトバンクが22年ぶりの惨劇を受け、4位に転落した。首位オリックスに被安打22、9失点で大敗。被安打22以上はダイエー時代の01年以来で、05年に球団名がソフトバンクに変わってからは初の屈辱だ。

試合後、藤本博史監督(59)は「よく打たれましたね」と嘆いた。先発武田翔太投手(30)が2回11安打6失点の大乱調。1点リードの2回に8安打6失点の集中砲火を受けた。武田は2軍降格が決まり「今はただ、チーム、ファンの方に申し訳ないとしか言えません。本当に申し訳ない」と猛省。指揮官も「2回で1試合分打たれた」と淡々と振り返った。

武田の後を受けた4投手も、合計11被安打3失点と止められず。オリックスに先発全員マルチ安打を献上した。藤本監督は「毎回ランナーを出してる訳やから、守りもリズムが狂ってくる。守りが長くなったら試合は負けてる方向やから。その辺のとこですね」と話した。

歴史的な大敗で今季2度目の4連敗。2カード連続の負け越しで、最大6あった貯金がなくなった。開幕時を除けば、藤本政権では初の勝率5割。今季は開幕5連勝のスタートダッシュを決めながらの大失速だ。「切り替えていくしかないですよね。まだ借金があるわけではない。明日、ゼロから行きましょう」。指揮官は沈む心を必死に制御し、前を向いた。

この日は福岡市で恒例の「博多どんたく港まつり」がスタートした。コロナ禍を乗り越え、4年ぶりの通常開催。パレードや演舞台で盛り上がる博多の街とは裏腹に、ペイペイドームではホークスが意気消沈した。ゴールデンウイークの本拠地開催は4日の同戦が最後。意地を見せたい。【只松憲】

▼ソフトバンクがオリックスに22安打を許した。ソフトバンクの被安打22本以上は、ダイエー時代の01年5月19日オリックス戦(福岡ドーム)で24安打を浴びて1-17で敗れて以来、球団22年ぶり。

○…今宮の1号先制弾は空砲となった。初回1死、田嶋の内角直球をうまくさばき左翼テラス席に運んだ。「何とかチャンスメークという気持ちだけでした。(内角球に)うまく反応して打つことができました」。カウント0-2と追い込まれたが、143キロのストレートにバットを体に巻きつけるように払い打った。「先制の1本となって良かった」と振り返ったが、チームは大敗。試合後は笑顔はなかった。

▽ソフトバンク柳田(4試合ぶりの3号ソロも9回1死満塁で二ゴロに倒れ)「最後に打てなかったんで、また明日頑張ります」

▽ソフトバンク谷川原(途中出場で6回に今季初安打となる左前適時打)「(6点を追う展開も)守備と打席は別と思って、バッターボックスに入りました。(7回に)2点を取られたのは反省ですが、打ててよかった」

○…泉が2軍で実戦復帰登板した。7回から2番手でマウンドへ。阪神先頭の豊田に右前打を許すも、続く中川を二ゴロ併殺に。最後は遠藤を内角148キロ直球で遊ゴロ。1回1安打無失点の好投で、復調をアピールした。今季は開幕1軍スタートも、右手薬指の細菌感染症の疑いで4月3日に出場選手登録を抹消され「もったいないなという思いだった。段階を踏んで状態は戻ってきている」と話した。

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