阪神が今季初めて2試合連続の0封負けを喫した。岡田彰布監督(65)はヤクルト戦で今季初めて国産オーダーを選択。開幕から29試合連続先発していたノイジー、2戦連続先発していたミエセスを外し、25歳小野寺を「3番左翼」、21歳井上を「6番右翼」で起用した。だが打線は振るわず、計21イニング連続無得点。ヤクルト石川先発時に5連敗となり、首位DeNAとのゲーム差は3に広がった。

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岡田阪神が打線改造に踏み切った。だが、無情にもスコアボードには「0」が並び続けた。

象徴的だったシーンは得点機での拙攻だ。3回無死一、二塁から9番西勇がバスターを試みるも、遊撃のほぼ正面に転がり三塁封殺。2点を追う6回は先頭近本が左中間への二塁打で出塁するも、後が続かず。指揮官は「チャンス言うても今日は複数ヒットにならんからなあ、イニングでなあ」と嘆き節。計5安打で21イニング連続無得点。今季初の2戦連続、3度目の完封負けで2連敗を喫した。

今季30試合目で初めてノイジーをスタメンから外す決断を下した。26試合で3番を務めてきた新助っ人は、試合前時点で5月の月間打率が1割9分と下降線をたどっていた。指揮官は「内容悪いしな、ノイジーは。別に使わんでもええやんか。なんで使わなあかんの? こっちの判断なわけやから」と説明。同時にミエセスも外し、3番に小野寺、6番に井上を起用。今季初の和製オーダーを組んだ。

だが、助っ人勢2人を外すカンフル剤を投入した打線は結局、43歳石川の熟練の投球術にまたしても屈した。130キロ台の直球と変化球を低め、両サイドに集められ、22年連続白星を献上。石川が先発時はこれで3年越しの5連敗だ。05年には10勝を挙げるなど、岡田監督が前回采配を振っていた時からヤクルトの主戦で活躍していた左腕。指揮官は「うまく打たされたなあ。ずーっと長いことやっとるんやから、そないしてな、あの投球術で」と脱帽するしかなかった。

2試合連続完封負けは22年8月23、24日のDeNA戦以来だが、甲子園での連続完封負けは22年5月3、4日のヤクルト戦以来。この時も2戦目にヤクルト石川に5回無失点と打線が丸め込まれていた。3戦連続だけは避けたいところだ。

指揮官はノイジー、ミエセスの両助っ人について「明日は使うよ」と明言した。リフレッシュを挟み、爆発に期待したいところだ。今季2連敗は6度目だが、まだ1度も3連敗はない。首位DeNAとは3ゲーム差。カード3連敗だけは阻止して、反攻に転じたい。【古財稜明】

▼阪神は今季30試合目で初の和製スタメンを組んだ。阪神のスタメンが全員日本人だったのは、22年CSファイナル第1戦の10月12日ヤクルト戦(神宮)以来。公式戦では昨季最終戦だった10月2日ヤクルト戦(甲子園)以来だ。このときは1番遊撃中野、2番三塁糸原、3番中堅近本、4番左翼大山、5番一塁原口、6番右翼佐藤輝、7番二塁高寺、8番捕手坂本、9番投手西純だった。

阪神今岡打撃コーチ(ヤクルト石川について)「バッター心理からすると、あの多彩な変化球、ストライクからボールの誘い球。あのボール球を振らされないように我慢してという心理になる。今日は、その誘い球には引っかかってないんだけど、ストライクゾーンの球が打てなかった。要はストライクを打たないと意味ないでしょ。ボール球を見逃す競技じゃないからね」