新潟アルビレックスBCは南地区首位の栃木ゴールデンブレーブスに6-3で逆転勝ちし、3連勝。8勝7敗で貯金1とした。1-3の8回裏、栗山謙遊撃手(25)の右前適時打で逆転すると、チーム最年長、“鉄人”稲葉大樹二塁手(38)が勝利を決定づける右越え2点三塁打を放った。6回に代打で途中出場し、迎えた2打席目だった。「打ったのはインサイドのスライダー。積極的にストライクを振った結果が出た」。

今季2本目の安打は、今季初の適時打ともなった。「片山(悠捕手)と(栗山)謙がタイムリーを打って、その勢いで打たせてもらった。若手への感謝や使ってくれた(橋上)監督への感謝もあって、いろんな思いがこみ上げてきた」。そう話した稲葉は三塁ベース上でこみ上げるものがあった。こぼれた涙はベンチに戻っても止まらなかった。

今季も野手コーチも兼務する。「若手を含めチームが少しずつ成長してきてる」と話す。開幕の選手登録からは外れたが、4月28日に選手登録された。「コーチとして、若手を叱咤(しった)激励することはもちろん、自分が打席に立てばチームのために打つ。これからも全力を尽くす」。シーズン17年目の大ベテランが若手に負けじと、グラウンドで躍動する。【大島享也】