阪神がともに2年ぶりとなる7連勝、貯金10でがっちり首位を守った。打のヒーローはヨハン・ミエセス外野手(27)で、初回に先制決勝の3点二塁打を放つなど来日初のマルチ安打で喜びの“ギャルピース”を披露。投げては先発伊藤将司投手(27)が6回を1失点に抑え、無傷の2勝目をマークした。ここへきて投打のかみ合わせが抜群。一気にセ界を抜け出す勢いだ。

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ミエセスが試合開始早々に、“ギャルピース”を決めた。初回、2死満塁から中日柳の低め変化球を引っ張り、三塁線をぶち破った。走者一掃の先制3点適時二塁打となり、二塁ベース上で何度も手をたたいた。するとベンチに向かって右手でVサインをつくり、右の目元付近で“横ピース”。「(日本に)来た時からずっとやってたよ」というお気に入りのポーズで、喜びを爆発させた。

「また満塁のチャンスだったから、なんとかランナーをかえしたかった。最高の結果になってくれたよ」

虎の新満塁男だ。16日の同戦(豊橋)でも2度の満塁機で役割を果たし、来日初の決勝打を含む2打点で快勝に貢献。来日後の満塁機で打率6割6分7厘、5打点と勝負強さを発揮している。さらに6回先頭では中前に運び、来日初のマルチ安打もマークした。

守備でもハッスルした。4点リードの3回2死一、三塁のピンチ。福永に右翼への痛烈なライナーを打たれたが、体勢を崩しながら好捕。左翼虎党から「ミエセスコール」が響き渡った。「いい仕事ができたと思う。練習からどういう打球がきてもと、しっかり準備している結果」と胸を張り、岡田監督も「見た通りや。ナイス守備やんか」と絶賛した。

当初、この日はベンチスタートの予定だったという。岡田監督は「今日は(午後)1時半までは(右翼は)島田やったんやけどな、変えたんや。打てそうやったから。どっちかというと左より右の方がええかなと思たからな、今日は」と勝負勘がさえまくり。2試合ぶりのスタメン起用で、期待に攻守で応えてみせた。

チームは首位を守り、ともに21年以来となる7連勝&2ケタ貯金。敵地中日戦では、6年ぶりの同一カード3連勝で鬼門を打破した。助っ人砲はヒーローインタビューの最後に日本語で「ミエチャンデース。オサキデース。アリガト」と、“ギャルピース”で締めた。「ミエちゃん旋風」はまだまだ続く。【古財稜明】