アベックで8強入りだ! 仙台大(仙台6大学)が8-4で東日本国際大(南東北大学)に勝利。3-3で迎えた7回1死一、二塁、辻本倫太郎主将(4年=北海)が左越えに勝ち越しの3点本塁打。昨秋の神宮大会東北代表決定戦でも逆転勝ちした相手を一蹴した。富士大(北東北大学)は、中部大(愛知大学)に4-1で勝利。木下真吾(3年=日本文理)-吉山朝陽(4年=美里工)-中岡大河(4年=広島商)の継投で1失点に抑えると、6、8回に2点を挙げ、快勝した。

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主将の1本がチームを目覚めさせた。7回1死一、二塁、絶好のチャンスに辻本は「とにかく勝ちたいという気持ちを持って打席に立った」。3球目の140キロ直球をはじき返し、打球は前進守備を敷く左翼手の頭上を越え、そのまま左翼席へ。辻本は雄たけびをあげ、右拳を何度も突き上げながらダイヤモンドを1周した。この3ランを皮切りに5連打と打線がつながり、この回一挙5得点。東北のライバルを一気に突き放した。

この日2安打3打点の辻本は守備でも貢献。好守で6個のアウトを取った。攻めた守備が魅力のひとつ。「守備を売りにしているのであれば、引いてる守備をしているようじゃ気持ち的にも上にはいけない」。8回1死一塁では高いバウンドの遊ゴロを走り込んで捕球。体勢を崩しながら二塁に送球し、相手にチャンスを与えなかった。

6日の初戦は延長10回タイブレークの末に桐蔭横浜大(神奈川)に勝利。辻本はその試合でも2安打2打点。10回2死満塁では二塁内野安打を放つなど勝負どころでの強さが光る。創部初の4強を懸けた今日8日の準々決勝は過去6度の優勝を誇る明大(東京6大学)と対戦。辻本は「仙台大史上最高成績で歴史に残るようなチームにしたいですし、その一員になりたいなと思っている」と意欲を見せた。勢いに乗る仙台大が、新たな歴史の扉を開く。【濱本神威】

○…富士大は4-1で中部大を破った。2番手で登板した吉山が主将の役割を果たした。2点を先制した6回に1発を浴びたが、打たれたのはその1本のみ。得意のツーシームでゴロの山を築き、味方の8回の追加点に結び付けた。吉山は「冬からやってきたことがしっかり出せている」と振り返り、この日も使用した同郷沖縄の先輩、日本ハム金村尚真投手(22)からもらったグラブに目をやった。