首位阪神が2位DeNAに連敗し0・5ゲーム差に迫られた。

岡田彰布監督(65)はノイジー、佐藤輝を打線から外し、打線をテコ入れしたが、今季初対戦のDeNA左腕東に完封された。0封負けは今季8度目で、今季初の4連敗。敵地横浜では12連敗となった。25日に負ければ首位陥落だけに指揮官のイライラも爆発寸前だ。

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矛先は思わぬ所に向いた。2日続けて岡田監督は囲み会見を行わなかった。バスへ向かい歩く3分弱の間に「あのイベントの記事からおかしなった」と2度もらした。敵地に乗り込む22日に横浜スタジアムでのDeNAの強さを問われ「イベントの時間が長いから、ちょっと拍子抜けするよな」と話していた指揮官。たまりにたまったイライラが、報道陣にも向かった。

交流戦優勝の勢いのまま満員のファンで盛り上がる敵地横浜にのみ込まれた。「そら、2人完投するんやからのお。今日の東の方がよかったんちゃうか」と、前日1失点完投の今永、この日完封の東をほめるしかなかった。

今季初の4連敗。ここ3試合でわずか1得点と打線の湿り具合は深刻だ。この日は不調のノイジー、佐藤輝を外し、渡辺諒を4月14日巨人戦以来今季3度目の3番に起用し、5番左翼にはミエセスを入れた。だが、渡辺諒は4打数無安打に守りでも失策するなどチャンスをいかせず「何とかしたかったんですけど」と肩を落とした。

1点を追う2回に大山、ミエセスの連打で無死一、二塁のチャンスをつくったが、森下は詰まった右飛。岡田監督は「最初のチャンスだけやんか。(カウント)3-1から、あんなクソボール振るから」と、5球目の高めボール球のカットボールを空振りしたことを指摘した。今季は四球を選ぶことを高評価する方針でここまでやってきた。何とかしようとボール球に手を出す森下の姿が打線の現状を表している。

横浜では12連敗でセ本拠地ワーストの99年から00年のナゴヤドーム(現バンテリンドーム)での13連敗にあと1つと迫った。6月は6勝11敗1分けで、6月のセ最下位となった。25日の相手は交流戦3戦3勝のサイ・ヤング賞右腕バウアー。絶対に負けられないと問われた岡田監督は「勝負に絶対とか使うな」と言い残しバスへ乗り込んだ。何が起きるか分からないからこそ、持っている戦力をつぎ込み同一カード3連敗、首位陥落は阻止する。【石橋隆雄】

▼阪神の4連敗は今季初で、昨年閉幕間際の9月17日巨人戦~同21日広島戦4連敗以来。なお完封負けは今季8度目。

▼横浜でのDeNA戦で阪神は、昨年6月28日から12連敗となった。同一球場での球団最長連敗は札幌円山の16連敗だが、他球団の本拠地に限るとナゴヤドーム(現バンテリンドーム)で99~00年に記録した13連敗。25日も敗れるとこれに並ぶ。

▼DeNAの先発投手に、23日今永、24日東と2試合連続で完投勝利を許した。これは18年8月24日巨人戦でメルセデス、25日同戦の菅野以来、球団5年ぶり。DeNA戦では、前身横浜時代の00年5月2日斎藤隆、3日小宮山以来、23年ぶりの屈辱だ。

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