このままでは終われない。終わらせられない。西武首脳陣がリベンジの「場」を用意した。

2軍調整していた今井達也投手(25)が、4日のロッテ戦(ZOZOマリン)で1軍の先発マウンドに復帰する。

今井は1カ月と11日前、5月24日のロッテ戦(同)にも先発した。3本の本塁打を浴びた。3回途中8失点KO。熱い感情を表に出すこともなく、マウンド上で首をひねるばかり。うつむいて降板し、そのまま登録抹消になった。

豊田清1軍投手コーチ(52)が話す。

「また同じシチュエーションだよね。同じロッテで、同じ千葉で、というところで、そこに当てていいものかどうかと、こちらも考えたけど、あいつのポテンシャルに懸けるしかないというところで。あいつも期するものがあるわけだろうからね」

150キロ台終盤に届くような直球がうなれば、攻略は至難だ。4月13日のロッテ戦(大宮公園)では、ノーヒットノーランペースで進めての2安打完封の実績もある。

ただ、相手あっての勝負だ。難しさもある。

「おとといの(高橋)光成もそうだし、最初に打たれてしまうと、なんか自分の中でいろんなものを疑ってしまうよね。その中で自分がやってきたことをどれだけ信じるか。急にその場でああしろこうしろ、投げ方変えてみようとか、なかなか難しいと思うので。自分をどれだけ信じて覚悟をもってマウンドに上がれるか、だと思います」

今季、とりわけ5月以降のチームの得点力不足は簡単に改善できるものではない。シーズン143試合はもう折り返した。最下位からの浮上へ、先発投手陣にかかるものは大きい。

「例えば『真っすぐで押せ』とか『相手を圧倒しろ』とかそういう話ではなく、とにかく先発投手としてしっかりゲームをと。バテるまで今井らしく行け、と。他の先発投手にもそうですが、そこに尽きるかなと思います」

剛腕今井の復活は、西武再浮上に欠かせないピース。首脳陣も、信じて送り出す。【金子真仁】