阪神村上頌樹投手(25)が、痛恨の1発に顔をしかめた。

両軍無得点の2回2死一塁。広島小園に外角フォークを右翼スタントに運ばれた。今季6被弾目となる2ランで先制点を献上。「打たれた球は投げ切ることができなかった」と唇をかんだ。岡田監督も「予想してなかったけどな、あの1発は。簡単にいきすぎたんやなあ」と頭をかいた。

3回には4番西川に右前適時打を浴びた。106キロのスローカーブにタイミングを合わされた。「変化球も、そこまでちゃんと決まってるって感じじゃなかった」と反省。警戒していた左打者に痛打をくらい、7回5安打3失点。打線の援護もなく4敗目を喫した。プロ先発2戦目の21年8月28日、3回5失点でプロ初黒星を喫したマツダスタジアムでリベンジはならなかった。

ただ、4回以降は1人の走者も許さなかった。直球を軸にした配球に切り替え、「低め低めを意識した」と気持ちを切らさず丁寧に投げ込んだ。5試合連続で7イニング以上を消化。イニングイーターとして頼もしさは増すばかりだ。

「長いイニング投げさせてもらえてよかったけど、序盤で3失点して申し訳ない。序盤をしっかりゼロに抑えて勝負できるようにやっていきたい」。尽きることのない反省の弁は、先発陣の柱としての自覚の証しだろう。規定投球回にも再び到達し、防御率1・78はリーグ4位となった。

4日に同じ兵庫・淡路島出身の近本が「右肋骨(ろっこつ)骨折」のため離脱。「勝って、しっかり治してもらいたい」と安心させる投球を誓っていた。同郷の先輩のためにも立ち止まってはいられない。

ローテーション通り中6日でいけば、次戦は13日のDeNA戦。「来週はDeNAだと思うので、勝って前半戦を終われるようにやっていきたい」。前半戦ラスト登板が確実な一戦に向け、前を向いた。【中野椋】

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