波に乗れん! 阪神が9度目の完封負けを喫した。4連勝中だった広島先発野村に6回を0封されるなどエエとこなしの完敗。岡田彰布監督(65)も「言い出したらキリないわ」と嘆くしかなかった。首位を走るが約1カ月連勝がなく、2位DeNAが1・5差、3位広島が2・5差、4位巨人も4差に迫る。だが、7日からのヤクルト戦を始め、球宴前のラスト9試合は得意のホームで戦える。前半最大の踏ん張りどころだ。

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打てない。9度目の0封負けを岡田監督が嘆いた。「言い出したらキリないわ。誰がいいとか誰が悪いとか」。大山が9回の4打席目に右越え二塁打を放ったが、7月は打率1割6分7厘。指揮官も「まあ、ちょっと何か突っ込むというか」と、下降気味の4番に思案顔を浮かべるしかない。

広島先発野村にはシーズンをまたいで4連勝中だったが、6回で散発の3安打。二塁も踏めず18年6月23日以来、実に5年ぶりの白星を献上した。カーブ、スライダー、カットボールと緩急をつけた変化球に翻弄(ほんろう)された。

「的を絞りにくいというか、どんどんストライクを投げ込んできとったからなあ。(点差が)3点なったからな」。より大胆な投球にさせた3回の3失点目をポイントに挙げた。2死三塁から西川に低めカーブを右前へ適時打を許した場面。「あそこもカーブなあ。(カウント)3-2から。今、一番変化球打つのうまいと思うよ」。相手4番の技をほめるしかなかった。

最大の見せ場は野村降板後にやってきた。7回に2番手左腕ターリーを攻め、2死一塁から代打渡辺諒が左翼線にヒット。一塁走者ノイジーが本塁突入で憤死した。岡田監督は「もうなあ、3点差で(藤本三塁コーチが)回すと思てなかったけどな」と苦笑い。「ヒットもなかなか出えへんからのう」。藤本コーチの判断ミスではなく、打てない現状を打破しようとした突入と理解し、スライディングしなかったノイジーを責めることもなかった。

やはり、不動の1番近本が右肋骨(ろっこつ)の骨折で離脱した影響は大きいのか。近本不在の3位広島3連戦は1勝2敗で、再び2・5ゲーム差に縮められた。この日ヤクルトに勝った2位DeNAは1・5差、試合のなかった4位巨人も4差まで迫り、大混戦の様相を呈してきた。首位とはいえ、リーグ戦再開後は4勝7敗1分けと厳しい戦いが続く。

だが、ここが踏ん張りどころだ。幸い7日からのヤクルト3連戦を手始めに、球宴前のラスト9試合は、ここまで24勝12敗2分けと大きく勝ち越しているホームゲームで腰を据えられる。しのいでしのいで乗り切るしかない。【石橋隆雄】

▽阪神ノイジー 送球が(自分に)当たればと思っていた。捕った時点で3歩くらい離れていた。どっちもケガするのはよくないとスライディングはしなかった。

▼阪神は今季9度目の完封負け。交流戦が終わり、リーグ戦再開後の12試合で4勝7敗1分け、勝率3割6分4厘はこの期間のセ・リーグ最低となっている。

▼阪神は6月3、4日のロッテ戦を最後に、1カ月以上連勝がない。同6日からの楽天戦以降の8カードで、勝ち越したのは同27日からの中日戦だけ。首位にいるが波に乗れない状況が続いている。

▼阪神は今季のビジターで18勝19敗1分けと、黒星が1つ先行した。だが、ホームでは24勝12敗2分けで貯金12を誇る。7日から戦う球宴前ラスト3カードの今季ホーム成績は、ヤクルト戦が2勝3敗1分けながら、DeNA戦は6勝0敗、中日戦は4勝2敗。トータル12勝5敗1分けで貯金7を稼いでいる。

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