世田谷西と中本牧が勝ち上がり、5日の決勝は関東連盟勢が日本一をかけて対戦する。

準決勝では、関東連盟夏季大会(夏季関東大会)優勝の世田谷西が、大会3連覇を目指す青森山田(東北)と対戦。序盤から白熱した攻防となり、6-6の最終7回、世田谷西が2本の適時二塁打で2点を挙げて勝ち越し。その裏に青森山田は1点を返してなおも2死三塁としたが、世田谷西が防ぎ切った。中本牧-取手は競り合いとなり、1点を追う中本牧が5回に4長短打で逆転、最終回のピンチをしのいで2-1で逃げ切った。取手の春夏連覇はならなかった。

5日の決勝は神宮球場で午前9時から行われる。

 

▽準決勝(関東連盟所属チーム)

世田谷西8-7青森山田

中本牧2-1取手

 

【世田谷西】

世田谷西が、大会3連覇を狙った青森山田(東北)を、終盤の激闘の末に8-7で下して決勝に進み、2017年以来4度目の優勝を目指す。

序盤、1回に世田谷西が2点を入れると、その裏に青森山田が2本の長打などで3点を入れて逆転。世田谷西は3回に2死一塁で7番矢口翔大(2年)の二塁打で一塁走者の遠嶋康大(3年)がホームインで同点に。

6回表、世田谷西が先頭の8番仙波晴弥(3年)の安打から1死一、二塁のチャンスを作り、2番坂本将平(3年)の左翼線二塁打で二塁走者に続いて一塁走者もかえり2点。4番安藤丈二(3年)の適時打で3点を取って勝負を決めたかに見えた。しかし青森山田もその裏に4連続長短打で3点を挙げて追いつく。

7回、世田谷西が安打で出た仙波が9番の代打安達龍紀(3年)の右翼線二塁打でホームイン。安達は1番大寳英都(3年)の適時打で生還し2点をリード。その裏の青森山田の粘りの攻撃を1点に抑えて逃げ切った。

吉田昌弘監督も激闘での勝利に珍しく気持ちを高ぶらせていた。「安達は今大会初打席。(起用は)勘でした」と話した。この日は1、2番を除いて、準々決勝とは打順やメンバーを大幅に入れ替えた。先発起用した6番岡田武大(3年)が初回に2点適時二塁打。9番から7番に上がった矢口が3回に同点打など、打順が当たった。

先発5番の藤原康聖主将(3年)を1打席で交代させた。「どうも彼が試合に入っているのは違うかなと」と、三塁コーチャーに起用した。一塁走者が深い当たりではない二塁打でホームにかえったのが3度。懸命に走る走者に、きわどい判断ながら腕を回し、ホームインを呼び込んだ。吉田監督も「勇気をもって回してくれた」と話した。

陰の殊勲者でもある藤原は「迷いもありましたが1点に執着したいと。(交代は)悔しかったけど、自分ができることをしようと思いました。最終回のホームインの時は鳥肌が立ちました」と笑顔をみせた。最後にいいところを持って行った形の安達は「呼ばれて『キターッ』って思いました。ちょっと詰まったので、一塁走者がかえるとは思っていませんでした。セーフになってうれしかった」と振り返った。