巨人の阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ（44）の長男、不動パイレーツ（東京）の阿部成真（せいま）捕手（6年）が今大会3本目の本塁打を放った。

「4番捕手」で先発出場。1－3で迎えた4回先頭で、1点差に詰め寄るソロ本塁打を右中間へ運んだ。「今日は本塁打を意識してなかったけど、強く振ることを考えた」。父からは試合前に「どんどん振っていかないと当たらないよ」と助言をもらっており、結果に結びつけた。

拳を上げながら笑顔でダイヤモンドを一周すると、ベンチではチームメートから手荒い祝福を受けた。

4回からは投手としてマウンドに上がったが、連打を浴びて3失点。東京勢の大会初制覇はかなわず、「今日は相手の打線がすごかった」と悔しさをにじませつつ、「投手と野手はどっちも好き」と投打二刀流への思いを口にした。

それでも、予選を含めれば全国から約1万チームが参加し、全国準Vに輝いた。試合後の表彰式では「悔しいけど、違うところから見ると、すごいことなんだなって。良い経験になった」と充実感に満ちた表情で話した。自信をつかんだ銀メダルは、勉強机の上に飾るつもりだ。【佐瀬百合子】