手応えと悔しさが入り交じった。巨人菅野智之投手(33)が6回1/3を6安打無失点で5試合ぶりの3勝目。3回2死満塁、自信満々で眼光を鋭くした。中日石川昂に力で勝負。カウント2-1からの4球目。今季最速153キロを外角低めに決め、右飛に仕留めた。今季初めて岸田とバッテリーを組み、要所は力で締めた。一方で7回1死一、二塁での交代に「8回までと思っていた。これが現状」。7月8日DeNA戦以来の白星をつかんだ。

不安と自信。いつだってとなりあわせ。だから練習では「不安」を重視する。「だって不安なところがないと成長しない。大丈夫って思ったら練習もしなくなってしまう」。球威が戻らない現状にフォームも試行錯誤。3回途中5失点で降板した前回の8日阪神戦翌日は「うまくいかんな」とも漏らしながら、練習を引き揚げた。以後1週間の調整の中で「出力を出すコツを見つけた」。手応えが試合でも発揮されたのは自信を身にまとうからだ。

試合でのマインドはこうだ。「不安とか緊張とか、目に見えないものは好きじゃない。技術を磨けば、いかなる時でも自信を持っていける。試合の中で、どうしていいか分からないってことはないと思うから」。不安にかられながら培った技術の裏付けが自信となり、勝負の勘所で今季最速153キロを出せる。

中日戦通算20勝目。セの全5球団からの20勝以上は球団史上8人目となった。「満遍なく勝てているのはなかなかいい数字だと思う。全球団から30勝を目標にしたい」とさらなる高みを見据えた。【上田悠太】

▼菅野が中日相手に今季初勝利を挙げ、同カードで通算20勝目。菅野はDeNA、広島戦で各23勝、ヤクルト戦22勝、阪神戦20勝で、セ・リーグの全5球団から20勝となった。巨人の投手でセ5球団から20勝以上は桑田以来8人目。ちなみに、通算180勝している斎藤雅は広島戦が18勝で達成できていない。

▽巨人原監督(7回1死一、二塁で菅野に代えて高梨)「(菅野が)あと1つアウトカウント取ってくれたら100点だね。あとよく(後続の)高梨がしのいでくれたなと思いますね」

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