新潟アルビレックスBCは今季ホーム最終戦を白星で終えた。9日からの地区CS(チャンピオンシップ)で対戦する信濃グランセローズに1-0で競り勝った。投手を小刻みに7人投入してCSのシミュレーション。6番手でマウンドに上がった吉田一将投手(33)が8回1イニングを2奪三振での無失点で勝ち投手になった。

目をカッと見開き、歯を食いしばりながら吉田は13球投げて、チームを勝利に導いた。0-0で迎えた8回に6番手で登板。気迫を前面に押し出した力投に、相手打者はのまれるように2者連続三振だ。先頭打者は3球三振。次打者のバットは球場表示145キロの速球に空を切った。3人目の打者は力ない打球を上げて右飛。「今日(2日)は是が非でも抑えたいと思った」。その裏に味方打線が吉田の投球に応え、虎の子の1点を奪った。

7人の小刻みな継投は、CSを見据えた戦術。橋上秀樹監督(57)は「ウチは先発完投型の投手はいない。こういうスパンで(継投を)考えている」と明かした。そんな中でベテラン吉田の奮闘は好材料。「シーズン中盤まで酷使した面があったが、吉田の状態が上がってきた。手応えを感じている」と言う。吉田は「コースを間違わなかった。真ん中に入る球はなかった」と振り返った。

レギュラーシーズンは今日3日のビジターでの信濃戦1試合を残す。だが吉田の視線はすでに9、10日の地区CSに向いている。「短期決戦だから、どんな場面でも」と大一番へ、準備は整った。【涌井幹雄】