エースが意地をみせた。阪神青柳晃洋投手(29)が6回を投げ今季初の無失点投球で、自身5連勝の8勝目をもぎ取った。巨人戦は「そんなに勝ってるんですか?」と本人も驚きの7連勝で、球団右腕では小林繁以来44年ぶりの快挙だ。Gキラーぶりを発揮し、優勝マジック1で「アレ」王手に導いた。

「ファンの声援を聞いて、絶対に負けられないと思いました。内容とかどうでもいい。チームが勝てば何でもよかったです」

ピンチでも動じなかった。中10日で迎えた伝統の一戦。キレのある直球とカットボールで押し込み、フライアウトを計9つ奪った。2回には1死一、二塁から岡田のライナーに左手を伸ばし、「ラッキー。飛んだところがよかった」と華麗な“グラブトス”で二塁手中野がノーバウンドで捕球し、二塁封殺。ミラクル併殺で流れを呼び込んだ。

プレッシャーをはねのけた。前日12日までの9連勝はいずれも先発による白星で、「前日に(西勇が)完封勝利するし、監督に『一番心配なピッチャー』って言われるし、いろんな意味で味方からのプレッシャーがあったので、なんとか勝ててよかったです」とニンマリ。先発白星による10連勝は60年ぶりだ。

今季は不振から2軍落ちを経験するなど、苦境からはい上がってきた右腕は「チームに貢献できている実感がある。何よりも今年苦しかったですけど、終盤でチームに貢献できているというのは一番よかった」と胸をなで下ろした。3年連続2桁勝利の可能性も出てきただけに「投げた試合は全部勝ちたい」と意欲十分。シーズン終盤戦で「強い大黒柱」が戻ってきた。【古財稜明】

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