青学大が延長10回タイブレークを制し、先勝した。

4番の意地だった。延長10回表、無死満塁。4番・西川史礁外野手(3年=龍谷大平安)は初球の直球をフルスイングすると、打球は左中間を真っ二つに割る走者一掃の3点適時打。3点勝ち越しに成功。2死三塁から小田康一郎内野手(2年=中京)の遊撃への適時内野安打で1点を加え、国学院大を引き離した。西川は「勝つという思いだけ。死球でもいいので、次のバッターにつなごうと思った結果でした。初球から自分の持ち味であるフルスイングができて、チームに貢献できて。うれしいです」と、4番の役割を全うし、笑顔を見せた。

この試合、西川は毎打席、「4番の責任は次の打者につなぐこと」と、考えながらバットを振った。6回には、1死一塁から右前打を放ち、一、三塁とチャンスを広げ、得点の足掛かりを作った。「2ストライク追い込まれてもうまく右方向に、思い通りのいい打撃ができました」。打点がつかなくとも、チームバッティングに徹した。最後は一振りで勝負を決め、4打数3安打3打点。「自分の長打力は持ち味。次の試合からも変わらずフルスイングして振っていきたいと思います」と、前を向いた。

春の王者も、苦しみながら、総力戦で勝利を重ねる。安藤寧則監督(47)は「よくやってくれた。うちは全員でとりにいく」と、1勝を喜んだ。