ソフトバンクの高橋礼投手(28)、泉圭輔投手(26)と巨人アダム・ウォーカー外野手(32)の2対1のトレードが成立し、両球団が6日に発表した。それぞれ背番号が決まり、ウォーカーは「28」で、高橋礼は「28」、泉は「63」。

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ウォーカーはシャイで努力家で、日本文化を愛してやまない。今季のキャンプイン前の1月にはアニメ「ドラゴンボール」のパーカ姿でジャイアンツ球場を訪れ「孫悟飯が好き。自分の強さに気がついていないのが一番の魅力かなと。いろいろ試行錯誤を重ねて、そこにたどり着けることが、自分のあるべき姿と重なる」と愛を語り尽くした。英語字幕に日本語音声でアニメを視聴し、日本語の勉強にも役立てている。

日本食も大好きでラーメンやすしだけでなく、沖縄に行けばソーキそば、宮崎ではチキン南蛮、広島ではお好み焼きと地方遠征のたびに名物料理を堪能。自身のグルメ用インスタグラムアカウントに投稿して日本料理を楽しんでいる。また「旅するのが好きなんだ」とネックレスにはコンパス型の飾りをかける。富士山に登るのが夢の1つで「死ぬ前にいつか行きたい」と熱望。ただ登山可能な夏の時期はプロ野球のシーズン真っ最中のためいまだに実現していない。

ドレッドヘアーにバンダナがトレードマーク。「こういう髪形にしてMVPを2回取ったので、それで維持しています」と米独立リーグ時代から験担ぎする。長い髪をまとめるために、20種類以上の色鮮やかなバンドを日替わりで着用。ちなみに日曜日は乳がんと戦った祖母への思いを込めて決まってピンク色を着用する。リストバンドには大切にしている言葉「POSITIVE VIBES ONLY(前向きな気持ちだけ)」を刻む。今季は2軍調整期間も長かったが、「日々、少しでも良くなるように練習をするだけだよ」と腐らず前向きに黙々と練習に打ち込んだ。

ガッツがあふれるプレースタイルも愛された。スライディングはほとんどが頭からで次の塁も積極的に狙う。父が元NFL選手とあって、米国時代にはアメリカンフットボールをプレーしており、ポジションは花形のクオーターバック。気迫のヘッスラで傷だらけになっても、「アメフトをやってたときは、もっとケガだらけだったからこんなのノープロブレム」と笑い飛ばす。

巨人ファンへ最後に「私は常に、ファンへ笑顔を届けることを願ってプレーし、皆さんからは最高の笑顔と素晴らしいエネルギーをいただきました」と感謝したウォーカー。福岡の地でも“ズッキュン砲”を連発して、愛されるに違いない。【巨人担当=小早川宗一郎】

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