温かい拍手に包まれながら、ゆっくりマウンドをあとにした。侍ジャパン赤星優志投手(24)が、井端ジャパンの初陣を無失点投球で飾った。国際試合独特の緊張感の中、序盤から持ち前のテンポの良い投球を見せつけた。1回をわずか11球で3者凡退。以降も三塁を踏ませず、72球を投げて4回2/3を3安打無失点だった。5回2死二塁で、2番手及川に託し「最後はバテてしまいましたが、及川選手にも助けてもらい、0点に抑えることが出来ました」と感謝した。

慣れ親しんだ本拠地・東京ドームのマウンドで、慣れない仲間とユニホームで奮闘した。世代別を通じても初の侍ジャパンで投手陣に知り合いは0人。宮崎の秋季キャンプ前には「(知り合いが)全くのゼロは初めてなので…」と人見知りの不安を吐露。それでも最年長の田口に連れられて参加した食事会で徐々にうち解けた。

後ろを守るナインが変わっても、表情は変えなかった。「ガッツポーズは小さいころからしたことがない。どうやってやればいいかわからない」と熱い闘志を心の内に秘めた。勝ち星には恵まれなかったが、“開幕投手”を任された重みを力に変え、無失点で侍デビューを果たした。

2年目の今季は開幕から自身4連敗と苦しんだが、8月からは6戦5勝(1敗)と調子を上げて侍入り。「一生に1度なので、(候補の)番号の中で一番カッコいい数字を選びました」という背番号17が堂々と先陣を切った。【小早川宗一郎】

【アジアCS】井端ジャパン初陣白星で飾る!台湾先発に苦戦も4得点完封リレー/ライブ詳細