「石黒界」の帝王になる! 阪神ドラフト5位のJR西日本・石黒佑弥投手(22=星城)が18日、広島市内で仮契約を結んだ。契約金は4000万円、年俸は750万円。最速152キロ右腕は石黒姓について「確かに会わない」と振り返り「『石黒』を有名にできたら」と初々しく笑った。

石黒姓のプロ野球選手は少ない。他業界ではノーベル文学賞の受賞者でもある英国人作家カズオ・イシグロ氏(69)、俳優の石黒賢(57)、「モーニング娘。」初期メンバーの石黒彩(45)らがいるが、野球界では主に1960年代にロッテの野手で活躍した石黒和弘の成績が目立つぐらいだ。石黒和弘の通算成績は529試合出場で打率2割3分4厘、334安打、42本塁打。虎の石黒は同姓の有名人を耳にした後、「名前つながりでいいところまでいければ」と腕ぶした。

今もJR可部線・下祇園駅の現役駅員。業務中に何度も声をかけられているというが、「自分はそこまで有名ではない。影が薄いのであまり気づかれない」と苦笑いだ。「マウンドでは大事な場面で熱くなることがある。相手を威嚇するじゃないですけど、少しでも押せればいいな、と」。ギャップも魅力の熱投で一気に名を売りたいところだ。

甘党ながら体重管理のため「チョコはあまり食べないようにしています」。プロでは「三振を取りたいので」とフォーク、チェンジアップ、シュートなど新球習得にも取り組む。「最初は中継ぎで短いイニングを任されると思う。そこで結果を出して、リリーフから先発の流れでいけたらベスト」。節制と挑戦から「石黒界」の頂へ駆け上がる。【佐井陽介】

◆石黒佑弥(いしぐろ・ゆうや)2001年(平13)6月20日生まれ、愛知・江南市出身。兄の影響で小学1年で野球を始め、愛知・星城3年では夏の愛知大会2回戦でセンバツ優勝の東邦にコールド勝ちして8強入り。球種はカーブ、カットボール、スライダーなど。好きな電車は新幹線N700系。180センチ、83キロ。右投げ右打ち。