楽天安楽智大投手(27)が複数選手からパワーハラスメント被害を訴えられているとの報道を受けて25日、森井誠之球団社長(49)が謝罪した。仙台市内の球団事務所で「ファンの方にご心配とご不安を与えてしまって申し訳ございません」と切り出した。この日予定されていた安楽の契約更改は「無期限延期」とした。

安楽はシーズン終了後、複数の後輩選手から、暴言や人格否定を日常的に繰り返されていたとの声が上がっていた。球団は24、25日と2度ヒアリングを行い、自宅待機を命じた。同社長は安楽の言い分については明かさなかったが「これだけ迷惑を掛けていることに対して反省している思いはある」とした。また、今在籍しているチーム関係者約100人に任意のアンケートを送付。26日までに回答を集め「双方(の意見)を照らし合わせて適切な処置をしたい」と話した。

現時点では安楽以外に、パワハラ疑惑で名前が挙がっている選手はいないという。今後判明した場合は厳正に対処する。早期解決を目指すが、球団が来季も契約する権利を持つ保留者名簿の30日の提出期限までに結論が出なかった場合は「今は明言できませんが、もちろん状況による」と、名簿から安楽を外す可能性も示唆した。同名簿から外れても契約は可能ではある。

三木谷オーナー、今江監督には状況を報告。対応については球団に一任された。今江監督はショックを受けているという。24日には新入団選手の発表会見を行ったばかり。同社長は「入団に懸念が1つでもあってはいけない。そこはしっかりやります」と、新人やその家族へのケアも行っていくとした。

プロ野球選手は子どもたちの模範となるべき存在。「プロフェッショナルというのはそういうこと。(ハラスメントは)根絶しなくてはいけない」。選手たちが匿名で相談できる駆け込み窓口やホットラインの構築を含め、再発防止策も並行して進めていく。

◆安楽智大(あんらく・ともひろ)1996年(平8)11月4日、愛媛県生まれ。済美では2年春夏に甲子園出場。14年ドラフト1位で楽天入り。15年10月5日ソフトバンク戦でプロ初登板初勝利。21年からセットアッパーに定着し、3年連続で50試合以上に登板。通算231試合、18勝21敗、3セーブ、50ホールド、防御率3・59。186センチ、87キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸3700万円。

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