出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させる現役ドラフトが8日、オンラインの非公開で行われた。

初開催された昨年に続き、日本野球機構(NPB)の保科求己法規室長が議長を務め、午後1時から約40分で終了。同5時に指名結果が発表された。希望球団による2巡目指名は今年も行われず、各球団1人ずつ計12人が移籍する。昨年は1人のみのドラフト1位選手が3人に増加。移籍の活性化が、より鮮明となった。

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2度目の現役ドラフトを終えた保科議長は「スムーズに終わりました」と振り返った。所要時間は昨年より約5分縮まった。この日の午前中には各球団が獲得希望選手を議長に通知。NPBで集計作業が行われ、会議開始時には全球団の暫定指名順位はオープンになっていた。通知した選手を指名できるときは、必ず指名しないといけない。新人選択のドラフトとは異なり、隠し玉も駆け引きもなし。淡々と進んだはずだ。

球界関係者の話を総合すると、最初に指名したのは巨人とみられる。指名した選手を出した球団に指名順が移るため、巨人→阪神→オリックス→中日→ヤクルトの順で指名していったことになる。ヤクルトの指名が巨人北村拓のため、6番目の指名は残り7球団のうち暫定指名順位最上位に移った。あらかじめ通知した選手の所属球団が既に指名を受けていれば、まだ指名を受けていない球団から選手を指名する。そのときは多少の時間を要したかも知れないが、いずれにせよ、スムーズに会議は終わった。

12人の平均年齢と在籍年数は25・9歳、5・9年。昨年(26・1歳、6・2年)とほぼ同じだが、平均来季年俸に違いが出た。昨年の1166万円から1702万円にアップ。ロッテ佐々木千、阪神馬場、中日鈴木とドラ1も3人に増えた。しかも、3人ともそれなりに実績を残している。いい選手を出せば、より先に指名できる可能性が高まる。現役ドラフトを単なるオフの義務ではなく、補強機会にとらえる球団が増えたのは間違いない。阪神大竹、中日細川の成功が各球団を刺激したと言えそうだ。【古川真弥】

【現役ドラフト】詳細まとめ