阪神佐藤輝明内野手(24)がまた進化の跡を示した。6回1死。相手は左腕エース加藤貴。カウント1-1からの直球をとらえると、打球はまっすぐセンター後方に伸びていった。もう少しでバックスクリーン弾になる、中堅フェンス直撃の二塁打だった。

「少し詰まっていた。イメージ通りではないけど、そういう日もあるかな」と背番号8は落ち着いた口ぶりだった。厳しく難しい内角低めに、バットを内側から出して、詰まりながらも広い札幌ドームの最深部まで飛ばしてみせた。

打球方向については「悪くはないですね」と納得した表情。強引に引っ張りにいっていたら右翼ファウルゾーンに切れていたかもしれない。このオフは米国の施設で動作解析に臨んだ。体の使い方、バットの軌道を徹底して見直した。投球の軌道に対してバットを入れる角度がよくなり、安定して打球が上がるようになったのは間違いない。“アーチスト”本格開花の期待がますます膨らむ一打となった。

その直後には、森下の一邪飛で、迷わず三塁にスタートを切る好走塁も見せた。一塁手が捕球後すぐに振り向いて好返球したがセーフだった。「(一塁手の)体勢が悪かったのでいけるかなと。1つ先の塁を狙うのはずっとやっていることなので、これからも狙っていきたい」と当然と言わんばかり。成長一途の5番打者が今年も攻撃の核になりそうだ。【柏原誠】

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