“石神様”が心地よいバットの感触をかみしめた。DeNAドラフト4位の石上泰輝内野手(22=東洋大)がオープン戦で12球団新人最速アーチの“プロ1号”を放った。

7回2死二塁、オリックス平野佳の内角低め145キロ直球を狙い打ち。右翼への同点2ランに「感触は良かったのでいくかなと思ったんですけど、京セラが初めてで全然分からなかった。とりあえず打ったら走ろうと」と初々しくダイヤモンドを1周。徳島から駆けつけた両親に成長した姿を届けた。

前日2日のソフトバンク戦(北九州)では4打数4安打で、この日も2ラン含む2安打。オープン戦は打率6割3分6厘と躍動する。5回には二盗も決めて俊足の武器を最大活用。守備では課題を残すものの、プロ入り前にほとんど経験のない三塁守備での経験を重ねた。三浦監督は「経験を積ませたいと思わせてくれる」とチーム唯一、2試合続けて4打席を与えた。

将来的にはチームを背負う存在を夢見る。試合前、徳島商の先輩でもあるラオウことオリックス杉本に緊張しながらあいさつに行った。「初めてちゃんとあいさつできました。目標というか、それくらいチームの看板選手になれたら」。まずは開幕1軍、開幕スタメンに照準を合わせて結果を出し続ける。【小早川宗一郎】