おさるのジョージが“ジョージロー”に覚醒した。巨人ドラフト3位の佐々木俊輔外野手(24=日立製作所)がソフトバンクとのオープン戦に「2番中堅」でスタメン出場。5試合連続安打となる2安打をマークし、驚異の打率5割に乗せた。オープン戦の打率5割台到達となれば、00年オリックスのイチロー以来となる。球団では01年阿部以来のルーキー野手の開幕スタメンを視界に捉えた。

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まず足で魅せた。1回1死、佐々木は一、二塁間に128キロスライダーをひっかけた。一、二塁に転がった打球は二塁手牧原大に阻まれたが、内野安打をもぎ取った。2安打目は最高のつなぎだった。6回1死一塁のカウント2-1からヒットエンドランのサインに右前打。内角カットボールを狙い通り転がした。「飛んだところがよかったとしか思っていない。その場、その場の役割を果たすだけ」と表情は緩まなかった。

オープン戦は26打数13安打と止まらない。アピールを続けるが「正直、不安しかない。まだオープン戦なので。投手の攻め方も変わってくる。これで本当に開幕で使ってもらって成績を残せるかと言えば、結果を残せるかという意味で不安しかない」と満足はない。

8年の時を経て、再び同じユニホームを着る先輩の存在は心強い。日本ハムからトレードで加入した郡は帝京の1学年上。「あの人を追っかけてやってきた」と憧れの存在だった。追いつこうと必死でバットを振り込んできた。練習後も埼京線で十条から新宿駅まで一緒に帰った仲。甲子園にたどり着かず、悔しさばかりが残る3年間。ただ、過ごした青春の日々が今につながる。

「おさるのジョージ」に似ていることから愛称は「ジョージ」。2月24日広島戦ではルーキー17年ぶりの4安打をマークした勢いは止まるどころか、“ジョージロー”と化して加速している。阿部監督からも「すげぇなと思って見てるよ」と初見投手の対応力や2番の適性を評価された。開幕スタメンも「チャンスあると思うよ」と評価は日に日に高まる。残りオープン戦7試合。もっと存在感を強めていく。【上田悠太】

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