初の開幕投手が決定的となっているオリックス宮城大弥投手(22)が22日、本番前最後の登板で順調な仕上がりを見せた。昨年の日本シリーズ以来の対戦となった阪神打線を6回無失点。中嶋監督はこの日も開幕投手を公表しなかったが、3年連続2桁勝利の若き左腕が大役を託される。

今季最初で最後のオープン戦は6回無失点。6安打も要所を締めた。「しっかりと打者に対して勝負できた。真っすぐのキレも良かったし、いろんな球で勝負できた」。最遅86キロのスローカーブに最速153キロ。球速差67キロの変幻ピッチで虎打線を封じた。

特に圧巻だったのが、ノイジーとの3打席だ。昨年日本シリーズ第7戦は3ランが敗因となり、試合後に号泣。それ以来の対戦だった。2回は外角チェンジアップで空振り三振。4回は低め直球で見逃し三振。そして6回はすべて直球で空振りの3球三振に仕留めた。「去年は去年。今は日本シリーズでもないですし」。記憶を消し去り、腕を振ってリベンジに成功した。

今季の実戦は侍ジャパン強化試合も含め計5戦16イニング無失点。調子がいまひとつ上がらない先発陣の中で出色の出来だ。中嶋監督は「別にこれ、公表しなきゃいけないの? 別によくないですか。新しいスタイルってことで」と開幕投手の明言は避けたが、仕上がりは万全。山本由伸と山崎福也が抜けた先発の柱として期待が膨らむ。

「まだ開幕とは言われてないし、気を抜かずに。体調管理を大事にいきたい。まだ若いんで、楽しくやりたい」。1週間後のソフトバンク戦。笑顔で勝利の時を迎えたい。【大池和幸】

▽オリックス頓宮(5回に5試合ぶり打点となる左前適時打)「いいポイントで打てた。タイミングが合ってきている。開幕にいい状態に持っていけるようにしたい」

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