やっと出た。今季初スタメンの楽天鈴木大地内野手(34)が、移籍5年目で初のサヨナラ打を決めた。打球が右翼線へ抜けると、雄たけびを上げ、右拳を握った。「本当に使ってくれた監督に感謝しなきゃいけないですし、それまで迷惑をかけていたんで、この一打が出て自分もほっとしてますし、チームが勝てたのが一番良かった」。今季初安打で、3月31日西武戦に続く今季2度目のサヨナラ勝ちに導いた。

小深田のアシスト? も生きた。2-2の9回1死二塁。鈴木大は5球目のファウルでバットを折られ、ベンチに向かった。「こぶ(小深田)がバットを持って念を込めてくれて、そのおかげで打てました」。替えのバットを受け取り、最後は136キロフォークを右翼線へはじき返した。

楽天では、ロッテから移籍2年目の21年に143試合に出場したのをピークに、22年が125試合、昨年が101試合と年々出場機会は減り、代打での出番が増えた。「立場的に毎日スタメンというわけにはいかない」と危機感を抱く中で初先発。7回1死一、二塁の好機で、遊ゴロ併殺に倒れるなど苦しんだが、今季9打席目で生まれた初安打がサヨナラ打となった。

今江監督とはロッテ時代に4年間チームメートだった。「監督も近い関係でやらせてもらっていた今江さんですし、いろんな意味で大きい1本になると思う」。チーム内の野手では岡島、島内、阿部と並んで最年長だが、まだまだ老け込むわけにはいかない。殊勲打をきっかけに大地の逆襲が始まる。【山田愛斗】

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