仙台6大学野球春季リーグ戦が今日13日に開幕する。

昨春、15年以来8年ぶりとなる春優勝を果たした仙台大は、昨秋のドラフトで中日から3位指名された辻本倫太郎内野手(22)を中心に、全日本大学野球選手権でも8強入りを成し遂げた。しかし昨秋はリーグ2位。新体制での王者返り咲きを狙う今季は、前主将の辻本と寮で3年間同部屋だった小田倉啓介内野手(4年=霞ケ浦)が主将に就任。新主将が開幕前に意気込みを語った。

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連覇よりもまず目の前の1勝を-。リーグ戦に向け、小田倉は「試合を重ねるごとに強くなっていかなければいけない。まだまだ今の状態じゃ『ダントツで勝てる』ということは100%ないですし、1位を目指せる状況でも、もしかしたらない」とチームを分析した。上級生中心だった昨年に比べ、新チームは下級生、リーグ戦未経験の選手が多い。「まず目の前の1戦1戦をとにかく勝ちに行くことしかない」。春連覇をいきなり見るのではなく、目の前の試合を見据えた。

チームを引っ張る存在が不足している。「みんな横並びになってしまうのが悪いクセ」。前主将の辻本はチームが良い時も悪い時も、常に全力プレーでチームを引っ張った。遊撃手だった辻本を、三塁の位置からだけでなく、寮でも同部屋の後輩として見てきた。「練習でも試合の中でも、試合で出てるようなメンバーは『引っ張ろう』という自覚を持たないといけない。新しく試合に出るようになったメンバーが試合に出る責任というものをもっと感じなければいけない」と厳しく言った。

主将就任にあたり、辻本からは「自分の形を自分で作っていけ」と言われた。「結果はついてくるものだと思う。良くても悪くてもチームを引っ張らなければいけないので、常に一番先頭に立ってチームを鼓舞したいなと思います」。新しい仙台大の形を模索しながら、時に厳しく、常に全力で、チームとともに成長していく。【濱本神威】