ほんま、しびれるで~! 首位阪神がまた1-0ゲームを勝ち切った。決勝点は大山悠輔内野手(29)。
4回に左前にはじき返し、1点をもぎ取った。2日前に2年ぶりのスタメン落ちを経験した4番が2戦連続の適時打でプライドを取り戻し、通算500打点にも王手をかけた。敗れた2位巨人とは1ゲーム差。女性ファン向けシリーズ「TORACO DAY」の甲子園が大歓声に沸いた。
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強い気持ちが乗り移ったかのように、大山の打球が三遊間を抜けた。2四球でつかんだ4回無死一、二塁。必ずストライクを取りにくるシチュエーション。右腕ヤフーレの鋭い外角カットボールに芯を外されたが、バットの先で強引に引っ張った。
「点を取るしかないので。自分なりに準備をして打席に入れました。初球から振りにいくつもりでした。当たりはあれでしたけど、何とか先制点を取れてよかったです」
16日の中日戦(バンテリンドーム)で2年ぶりに先発を外れた。不振が深刻化。敵地でも打撃練習前に室内でバットを握ってきた。岡田監督も苦しむ姿を間近で見てきた。翌17日、わずか1試合で「4番」としてラインアップに戻った。適時打を含む2安打と結果で回答。そしてこの日、決勝点をたたき出した。
指揮官は「納得いく当たりじゃないと思うけど、徐々に余裕が出てきたというか。これからもうちょっときれいなヒットでタイムリーを打ってくれると思います」と相好を崩した。
開幕前からのコンディション不良もあり、苦しい時期が続いた。浮上のきっかけは1カ月前の4月19日中日戦(甲子園)だった。8年目で最も遅い75打席目で1号を放った。
その試合直前。甲子園の小野寺のロッカーの上にあったバットに目がいった。「これ使ってるの? 使ってないなら貸してよ」。実は、もともとは自身の使用モデルがベース。「打てていなかったので戻してみようかなと。4~5年も前のですけど」。かつての“相棒”はしっくりきた。バットを短く持ったり、左足の上げ方を変えたり、日々の微調整は当たり前。少しでも結果につながるよう、毎日もがいている。
4番に求められるのは勝利という結果だけ。打てずに負ければ自分の責任。その重圧と向き合っている。この日は薄氷の勝利。1-0勝ちは今週だけで3度目だ。野手陣が低調でも首位を守っている。
お立ち台を終え、引き揚げてきた大山が言った。「チームが勝つことが一番。勝つことが全てなので。勝つってすごく難しいんだなと毎試合毎試合、戦っていて感じます。本当に、チーム全員で勝ち取った勝利だと思う」。4番打者の言葉が重く響いた。【柏原誠】
▼大山が通算499打点とし、500の大台に王手をかけた。阪神生え抜き選手では過去12人で、プロ入りからの最短年数は田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布の8年。大山がこれに並ぶのは確実だ。



