ガラスのエース脱却へ、阪神高橋遥人投手(30)がリーグ連覇をけん引する働きを誓った。20日、兵庫・西宮市の球団事務所で契約交渉。500万円アップの3000万円でサインした。5年ぶりにケガやリハビリなく迎えた今オフ。現在の目標について問われ、言葉に熱を込めた。
「入団してからずっと誰かの背中を追っているじゃないですけど。誰かの後ろにいて、全然背中では引っ張れていない。年齢もあるし、プレーとかで引っ張っていけるようにしたい」
今月7日に30歳を迎え、来季はプロ9年目。若手の頃は西勇や青柳、秋山ら頼りになる先輩たちに引っ張られ、度重なる故障や手術から復帰した現在も、村上や才木ら後輩に引っ張ってもらったと感じている。だが、昨オフ左腕に埋めていたプレートを除去して今年7月に復帰し、来季は「完全体」となって迎えることができる1年になる。“ガラスのエース”を卒業し、1年を通して先発陣を引っ張っていく意気込みだ。
今季は8試合で3勝1敗、防御率2・28。球団からは「来年は1年投げられるように」と激励された。来季は初の開幕ローテ入りも目指せる状態。これまではリハビリなどで、狙うことすら難しかった場所だ。「食い込めるように。競争に入っていけるようにしたい」と力を込めた。
今オフのテーマは「生き物的に強くなる」こと。ウエートトレーニングや、ジャンプなど瞬発系のトレーニングを通じ、強い体を作っていく計画だ。「単純にパワーとかスピードとか、生き物的に強ければボールも変わってくると思う」。1年前は手術直後で重い荷物を持つことすら難しかった。今は不自由がない体にありがたみを感じながら、自身と向き合う冬にする。
「(ファンの)皆さんもそうですけど、一緒にプレーしてる選手とか、周りがワクワクできるような。そういうボールを投げられるようにしたい」
どん底からはい上がった左腕。どこまでも満足することなく、最高の1球を磨き続ける。【波部俊之介】



