ハブ弾11発!

 楽天山崎武司内野手(40)が9日、今沖縄・久米島キャンプで初めて特打を行い、場外アーチを11本を放った。左翼フェンスのネット後方は防風林でハブが生息するという場所。球拾いにも困るが、40歳の主砲は「今年は40発打ちたい」と88年門田(南海)以来の40代40発を狙っている。

 山崎武の初めてランチ特打は圧巻だった。138スイングで本塁打は41。そのうち11本が場外に消えていった。

 28スイング目だった。5本目のアーチを放った瞬間に山崎武は「ハブや!」と叫んだ。ハブ!

 ハブ!

 ハブ!

 推定130メートル級の場外弾が左方向に乱れ飛んだ。左翼フェンスのネット後方は防風林があり、毒蛇ハブが生息する要注意地帯だ。地元の人も「島で年に数件はハブの被害があります。我々も、特に夜は藪(やぶ)には入らない」と警戒する。山崎武は「あそこに行ったらボールが見つからないんだって」とボールを捜しに行く関係者を心配した。

 40歳の大爆発を予感させるアーチショーだった。高い放物線はアーチスト独特のもの。当たれば柵越えは当たり前だ。観衆を「惜しい」と、うならせるのは、もう少しで「ハブ弾」を逃したケースだった。

 それでも山崎武は「まだ(調子は)6割くらいかな。最初にしてはバットに当たってくれたよ」と調整段階と言うばかり。「ノーって感じだった去年(のキャンプ)よりは、いい。大爆発しねえかな~。40発打ちてえ~」。狙うのは88年門田(南海)以来の40代での40発大台だ。

 帰りのワゴンに乗る前には、直径11センチ、重さ4・6キロの極太バットを振り切ってみせて「う~ん、オレ好み!」と一言残した。やることなすこと規格外な山崎武なら「フォーティー・フォーティー」は夢じゃない。【金子航】

 [2009年2月10日8時36分

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