<オリックス4-12ソフトバンク>◇15日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンクの猛攻に、この男が参戦しないはずがない。右ひざ半月板を損傷しながら強行出場を続ける松中信彦外野手(35)が、白星を決定づける強烈な1発を放った。9回表の5打席目。オリックス香月のシュートを、右中間席に運び去った。チームトップタイの23号ソロだ。

 松中

 しっかり左足を使って打てました。取られた分を取り返した。いい追加点になりました。

 インパクト直後、右ひざで体を支えきれなかった。バランスを大きく崩したが、それも左足の蹴りで打球を飛ばすため。不格好でも、アーチを描く術は知り尽くしている。多村との「MTアベック弾」も07年に結成以来、無傷の6連勝に伸ばして見せた。

 合流したばかりの後輩にも、鮮烈なインパクトを与えたに違いない。1月グアム自主トレをともにした仲で、前日14日に合流した松田に厳しい言葉を贈った。「まだ、レギュラーじゃない。みんな、必死こいてやっている。(ポジションを)勝ち取らないと」。右足に激痛を抱え、満足に走れなくても、要所で勝利を呼び込む一打が、背番号3にはある。残り17試合。その存在感は、日に日に増すはずだ。

 [2009年9月16日12時9分

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