横浜尾花高夫監督(52)が15日、沖縄・宜野湾キャンプを訪れ、選手、関係者との初顔合わせを行った。この日は選手のチェックだけにとどめる予定だったが、若手のホープ山口俊投手(22)らを相手に配球論をアドバイス。課題の投手陣再建へ、はやる気持ちを抑えきれない様子だ。

 メンバー表を手にひたすら選手をチェックしていた尾花監督が動いた。練習も終盤の午後3時すぎ、山口と高崎に対し、身ぶり手ぶりを交えて教え始めた。視察前は「今回は観察するだけ。指導はしない」としていたが、ブルペンで実際の投球を見て、指導者のハートに火が付いた。

 テーマは配球論だった。「どうすれば、より速く球を見せられるのか」。150キロ台の速球を武器に今季クローザーとして飛躍した山口は、新監督が「一流になる素質がある」と注目していた選手。「アウトコースできっちりストライクを取ろうとせず、インコースをしっかり投げ込み、最後は落ちる球など自分のウイニングショットで決めろ」と具体的な打者への攻め方にまで言及することで、強く意識改革をうながした。

 スローガンに掲げる「アナライジングベースボール(分析野球)」を初日から実践した尾花監督だが、まずは選手に徹底的にデータ野球を植え付けていく方針だ。「素材は一流。考え方も一流にすれば、仕事は超一流になる」の言葉は、山口だけに向けられたものではない。【鈴木良一】

 [2009年11月16日9時2分

 紙面から]ソーシャルブックマーク